show-yaにUNICORNにスピッツにプリンセスプリンセスに……そして、松田聖子も! 編曲家・笹路正徳という男
1.笹治正徳とは?
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうです!
突然ですが皆さん、笹治正徳という男を知っていますか?
もちろん、このブログで取り上げるぐらいなので聖子の楽曲に関わっています。
それらの楽曲に触れる前に、まず簡単に笹治正徳という男について説明しておきましょう。
彼の幼少の頃の楽器経験についてWikipediaに書いてあったので引用します。
4才の時からピアノを始め、小学生でザ・ベンチャーズ、ザ・ビートルズ等に憧れ、ギターを手にする。中学時代はクリーム、ジミ・ヘンドリックスに傾倒するとともにラリー・コリエルでジャズに出会う。東京学芸大学附属高等学校入学後、自分より上手いギタリストに出会い、キーボードに回帰。その後、ミュージシャンではなくレコード会社や音楽出版社などへの就職を志して慶應義塾大学に進学する。同大学のジャズ研究会でジャズ・ピアノの研鑚を積んでモダン・ジャズの奏法を習得したのち、当時盛行していたフュージョンを中心とした音楽活動をする。[1][2]
なるほど~、元々物心つくかつかないかの頃からピアノをやっていて、小学生からはギターをやり始めたんですねえ。
その後、高校入学と共にキーボードに回帰とあります。じゃあギターは?となりますが、恐らく、これは推測ですが、ギターはギターで弾き続けていたんじゃないかなと思います。
自分より上手いギタリストに直面して、自分の腕ではプロのギタリストにはなれない、と悟ってしまったのではないでしょうか。
それはギターを愛していたからこそ、ギタリストを尊敬していたからこその決断なんだと、僕は思います。( ノД`)…
つまり、笹治さんはピアノはもちろんですが、それと同じぐらいギターも好きなんじゃないかなと、なんとなくそんな気がするんですよ。
というのも、笹治さんのバンドの曲や編曲した曲の大半では、ギターを強調して使っているんです。
2.笹治正徳の作品
2.1「Nazca」
例えば、83年から87年まで笹治さんは「NAZCA 」というバンドをギターの土方隆行さん(ちなみにこの人も聖子の楽曲に何度か携わっていますよ!)と組んで、三枚のアルバムを発表しているんですが……
これがまあハードロックなんですよ!
間違いなく70年代や80年代のハードロックを聴いて、影響を受けているんだと思うんですよ。
ギターの土方さんもその手の音楽が好きっぽいので意気投合したんでしょうね、きっと。(´・ω・)(・ω・`)ネー
この三枚のアルバム、amazon musicのアンリミテッドで全部聴けるので興味ある人は聴いてください。プログレ要素もあって、どれもなかなか聴き応えありますよ!
2.2「show-ya」
さらに決定的なのは、笹治さんはshow-yaのアルバムを手がけたことがあるということです。というか、プロデュースしていました。
皆さん御存じだと思いますが、show-yaとは歴としたハードロックバンドであり、ヘヴィメタルバンドであります。
笹治正徳がプロデュースしたアルバムがこちらです。
「限界lovers」や「私の嵐」等のヒットシングルも入っているアルバムであり、約60万枚のセールスを記録しました。
キーボードが特徴的ですよね!(。-`ω-)
確かに笹路正徳っぽいです。
2.3「ササジーズ」
そしてさらに!笹治正徳が91年に組んだバンド「ササジーズ」のアルバム。
これもAmazon musicのアンリミで聴きましたが……はい、完全にハードロックですありがとうございました(笑)。
2.4「その他」
と、思っていましたが、アーティスト、曲によっては非ハードロックのものもたくさんあります。(例えばUNICORNやプリンセスプリンセスやスピッツ等)
当たり前っちゃ当たり前ですが。
はい、もう説明不要の名曲ですね!僕も大好きですこれ( ;∀;)
この「世界でいちばん熱い夏」は笹路正徳編曲です。
「暑い」じゃなくて「熱い」なのが熱いよねー(´ー`)
3.笹治正徳作品の特徴
では、彼の編曲の特徴はというと、キーボードをかなり多用するのが特徴的だなと思います。というかまあ、彼はキーボードの演奏者だから当然なんですけど。
音圧のあるギターサウンドにブラス系、シンセリード系やオルガン系のキーボードを被せてくるパターンが多いです。
単純に、キーボードの主張が激しいので曲全体に厚みがあって華やかなサウンドになるイメージです。
この傾向は、NAZCAでもササジーズでもshow-yaでもUNICORNでもプリンセスプリンセスでも松田聖子でも見られます。
有名どころだと、Van halenのアルバム「1984」や「5150」をイメージすると分かりやすいかも。
いかにもTHE 80年代って感じです。
ただあくまでも91年頃までの話で、96年にリリースしたスピッツのロビンソン(笹治が編曲を担当)では以前よりおさえ目にしたりしています。
時代的にハードロックは廃れて来ていた頃なので、時代を読んで流行に合わせる力もあるのでしょう。プロの編曲家ですもんね(*`・ω・)ゞ
笹治さんはあまり打ち込みを使わず、あくまでもバンドサウンドに拘るのが印象的で、打ち込みを使うことも多い大村雅朗さんとはその点では対照的かもしれません。
4.笹治正徳の松田聖子作品
ここで、笹治正徳さんが担当した80年代の松田聖子の曲を聴いてみましょう!
4.1「チャンスは2度ないのよ」
この曲は1987年に発売された「Strawberry Time」というアルバムの収録曲で、「チャンスは2度ないのよ」というタイトルです。
作詞:松本隆 作曲:広石武彦 編曲:笹路正徳 です。作曲の広石さんはUP-BEATというバンドのボーカルですね。(今回は詳しくは触れません)
この曲では曲の雰囲気に合わせてピアノ系の音も結構使っていますね!ギターもクリーントーンですし、こういうセンス命のポップな曲に仰々しいシンセの音を被せたら台無しもいいとこですもんね(笑)。そこら辺のバランス感覚も笹路さんはさすがですね。
では次の曲!(/・ω・)/
4.2「Precious Heart」
この曲は皆さんご存知だとは思いますが、1989年に発売された「Precious Heart」という曲でシングルカットされています。この曲でオリコン1位を逃し、シングル首位連続獲得数は24作で止まってしまった。てかそれでもかなりすげーよ!「Precious Moment」というアルバムにも収録されています。
作詞:Seiko Matsuda 作曲:奥居香 編曲:笹路正徳 です。
そして、作曲の奥居香とはプリンセスプリンセスのボーカルですね。恐らく、奥居さんが作曲するということで、プリプリの方で親交がある笹路さんが編曲を担当することになったんでしょう。
やはり「プリプリ勢」の二人が作っただけで結構プリンセスプリンセス感ありますよね!
基本8ビートで進んでいくとことか、ギターのシンプルなリフとか、サビも声を伸ばせるように余白のあるメロディーにしたりとか、サビで被せるキーボードの装飾とか、正に先ほどの「世界でいちばん熱い夏」を想起させます。
AメロとBメロではピアノ音を効果的に使うことによっていわゆるコード感が増しています。
5.「We Are Love」
そしてそんな笹治さんが全曲の編曲を担当しているアルバムがあります。
それがこの「we are love」です。
……と、ここまで書いて既に3500文字を超えていますので、今回はここまでとします。m(__)m
次回は聖子のアルバム「We Are Love」を掘り下げます!(=゚ω゚)ノ