松田聖子「LOVE SONG」楽曲研究~BPMが遅い曲では歌手の実力が如実に出る
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は僕が大大大大大好きな曲「LOVE SONG」について研究したいと思います!
もうですね、僕が本格的な聖子大ファンになったのはこの曲のおかげと言っても過言ではないぐらい思い入れがある曲なんです!
最初聴いたときのインパクトが凄かった。忘れもしませんよ、よう〇べで1982年のライブのこの曲の歌唱を聴いたときのことは。
それまで、あまり「歌」というのを重視してこなかった僕にとって、「歌」で涙するほど感動させられるというのは革命だったんですよ。いやほんとに。
唯一、QUEENのフレディ・マーキュリーの歌唱だけは泣くほど感動したことがありまして、こんな体験、聖子が2回目です。
また、こんな感動を味わえるのかと、本当に嬉しくなりました。と、同時に聖子さんを応援しようと心に決めましたね、あの時。
追記:同じく聖子さんとQUEENのフレディをシンガーとして尊敬しているというぬかるんさんのツイートがとても共感できたので、ここに貼っておきます。( ^^) _旦~~
こんにちは♪
— ぬかるん (@nukarun666) October 27, 2018
ワタクシも『尊敬するシンガーは?』と聞かれたら、聖子さんとフレディマーキュリーを真っ先に挙げます😊
遅い曲がなんで難しいかって、つまり『間が持たない』んですよね、声に本当の魅力がないと。あと、実はリズム感も重要。聖子さんは完璧に両立してますね♪♪♪
さあ、それでは楽曲研究していきます!
作詞は松本隆さん、作曲は財津和夫さん、編曲は瀬尾一三さんです。
1.イントロ
キーはAです。
|E7|E7 |AM7|AM7|E7|E7|AM7 |G|
最初、3拍子で曲は進んでいきます。最後のAM7から4拍子に変わっています。
それによって、Aメロに向けて少しタメを作った感じになるんですね。
曲の途中で拍子を変えるというのはわりとあることで、4拍子の途中で5拍子をまぜてみたりだとか、7拍子にしたりだとか。
まあ今回は普通の3拍子から4拍子になっただけなのでそんなに変な感じはしないですよね。
コード進行はというとトニックのAM7とドミナントのE7という二つのコードを繰り返していますね。
この2種類のコードを繰り返すというのはポップスやロックでよく使われています。
こちらの記事でもこの件について話しています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
そして ♭VIIのGを挟んでAメロ開始のAM7に続きます。この♭Ⅶで一時的に同主短調(キー=Aナチュラルマイナースケール)に転調しています。
Aメロに行く前に少し引っかかる部分を作っているんですね。
2.Aメロ
キーはAです。
|AM7|F♯m |Bm7|E7|AM7|F♯m |Bm7|E7|Bメロに続く
ここでも皆さんご存知のツーファイブワンが登場しましたね。|Bm7|E7|AM7|がそうです。
ツーファイブワンについてはこちらで詳しく語っています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
ここ(Aメロ)で注目すべきなのは非ダイアトニックコードが一つも使われていないということ。
多分意図的にオーソドックスなコード進行にして、正統派で普遍的でスケールの大きい曲にしたかったのでしょう。
あと、アレンジのシンプルさが際立ちます。
これも、聖子の歌を一番の主役にするためだと思います。
それだけ聖子の歌を信頼し、聖子の歌を届けたかったんですね。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
3.Bメロ
キーはAです。
|C♯m7|Bm7 Cm7 |C♯m7|Bm7 E7onB DonE E7|サビに続く
「あーしーたー」までのコード進行です。
Aメロで一度|Bm7|E7|AM7|の流れがあったので、Aメロ最後の|Bm7|E7|のあともAM7が来ると聴き手は無意識に予想してしまうのですが、ここではトニックの代理(IIIm)である|C♯m7|が登場して「裏切り」が起こり、雰囲気変わるわけですね。
この「裏切り」についてはこちらの記事でも登場しています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
途中のCm7については経過的に使われているだけなので、特に深い意味はないでしょう。
4.サビ
キーはAです。
|A F♯m7|C♯m |D DonC♯ Bm7|C♯m7 Bm7 E7|A F♯m|C♯m |D DonC♯ Bm7|E7 Bm7onE E7|A |DmonA | A |DmonA|Aメロに続く
「の~~」から始まります。
最初の|A F♯m|C♯m |ではトニック系を使い盛り上がりを抑えてからのサブドミナントで緩急をつけています。
4.1「ペダルポイント」
また、ここでは「ペダルポイント」を効果的に使っています。
「ペダルポイント」というのは、
コードは変化しているのにも関わらず、ある一つの音を鳴らし続けることです。
もちろん、その音はアボイドノート*1であってはいけません。
例えば今回の|A F♯m7|C♯m |の部分では、「E」の音(ストリングス)がずっと鳴っています。この「E」はこれらの三つのコードの構成音なので何ら違和感はないわけですね。
そして、この「E」はキーAのドミナントの音であるので、
この場合は「ドミナント・ペダル」と呼ばれます。
いやまあ、名前なんてどうでもいいんですが(笑)。
そして最後の|A |DmonA | A |DmonA|でも「ペダルポイント」は使われていますね。そう、ベースのAですね。
このようにベースを一定の音にするというのもよく使われますね。
そして、この「A」はキーAのルートの音なので、
この場合「トニック・ペダル」と呼ばれます。
いやまあ、名前なんかどうでmry)
「Rock'n Rouge」のAメロなんかはまさにこのペダルポイントを効果的に使っていますよね。
また、曲の最後のアウトロの部分でも(コード進行はイントロと同じ)「ドミナント・ペダル」が使われています。
4.2歌うますぎ
「あ~し~た~の~」で盛り上げる感じとか本当すごい。声量あるし初期のパワーボイスの片鱗もあるし、「の~」のビブラートの振幅の速さも絶妙だし。
で、レコードのもすごいんだけどライブの歌唱はもっと声出てて圧倒される。
この恵まれた声質で声量あってテクニックも身につけている。
そりゃ天下とるわな……(; ・`д・´)
4.3「BPM」について
この曲「BPM」いわゆるテンポがおそくて、だいたい71.5ぐらいでしょうか。
こういうテンポが遅くていい曲を作るのって
歌手の魅力と楽曲の良し悪しが如実に出ちゃうんですんごい難しいんですよね。
僕もこういういつか曲作りたいと思ってますけど、これはかなり難しい。
テンポが速い方が勢いでごり押しできる場合も多いですからね。
4.4「サブドミナントマイナー」
最後に出てくるDmはサブドミナントマイナーと呼ばれます。
サブドミナントマイナーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
5.まとめ
皆さんはこの曲好きですか?
僕は「Only my love」に並ぶぐらい好きです。
曲は至ってシンプルですけど聖子の歌唱は本当に最高レベルで素晴らしいですよ。
実際楽曲研究するにあたって何回も曲をリピートするんですが、
全く飽きない!!!
この「歌」を残してくれただけで聖子さんには感謝してもしきれません……。(´ー`)
もしもまだ聴いたことがないという人は是非聴いてみてください!
ってか聴いて!!!( ;∀;)
あなたの人生を変えるかも……しれませんよ(*´▽`*)
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