松田聖子「妖しいニュアンス」楽曲研究~良フレーズを何度も繰り返して曲の世界に引き込む~
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は「妖しいニュアンス」の楽曲研究です!
この曲は「Strawberry Time」というアルバムに収録されている曲で、大村雅朗さんという方が作曲した曲です。
シンプルなドラム&ベースにギターやシンセ、ストリングスやボーカルなどのウワモノをどんどんトッピングしているといった作りになっていますね。('◇')ゞ
使うコード進行のパターンがそこまで多くないのも、大人なポップス感を育てるのに一役買っています。
また、歌詞はどうかというとこれもまたちょっと大人っぽくて、
恋にうぶな男の子に合わせて手加減してあげてる大人な女性を描いています。
所謂、「男が考える理想の女の子(空想世界の生き物)」ではなく、「ごく普通な女性」のリアルな心理を描くのが松本隆さんはめちゃくちゃ上手い。
今現在の価値観で見ると全然違和感ないので、松本隆さんの先見の明には本当に驚かされます。(-_-)
作詞は松本隆さん、作曲は大村雅朗さん、編曲は大村雅朗さんです。
それではコード進行を見ていきましょう。
1.イントロ
キーはE♭とします。
|Fm7|×6の後
|E♭M7|×2 Aメロに続く
ディグリーネームで言うと、E♭M7がⅠM7でトニックの役割、Fm7がⅡm7でサブドミナントの代理ですね。
(ちなみに、キーを平行短調であるCマイナーだとすると、E♭M7が♭ⅢM7でトニックの代理、Fm7がⅣm7でサブドミナントの働きをしています)
2小節目の4拍目、4小節目の4拍目、6小節目の4拍目は単に弾き方を変えただけでFm7であることには変わりありません。
イントロはこの2つのコードのみで構成されており、そしてこの型を保ったままAメロに突入していくので、ぶつ切り感がなく曲に統一感が生まれています。
また、何度も同じフレーズを繰り返す(反復)ことで、聴き手のテンションを徐々に高めていくという効果もあります。
展開が少ないので地味目な印象になりがちですが、所謂スルメ曲になりやすいのもこのパターンなのかなって思います。
ところで、このⅡm7とⅠM7の2つを繰り返すのって、前に紹介した「Blue」もそうだったので結構定番なのかも知れませんね。
覚えておいて損はなさそうです。(*´ω`)
seiko-laboratory.hatenablog.com
2.Aメロ
Aメロのコード進行は書くまでもないというか、イントロと同じものを繰り返すだけなので省略します。
2.1聖子ちゃんのささやき歌唱
聖子ちゃんがこんな感じでささやくように歌っているのって実は結構貴重なんじゃないでしょうか。(^。^)y-.。o○
コード進行の展開が少ないイントロとAメロといい、聖子ちゃんのささやくような歌唱といい、徹底的にアダルトな世界観を作り上げようとしているのが見て取れますね!(*'▽')
元々、声質が抜群に良いのでやっぱり様になりますね、すごく。
初期のフレッシュな声の伸び半端ない頃の歌もいいけど、技術を覚えて丁寧に歌い上げるこの頃の歌もいい!(*´ω`)
結論、どっちもすごくいいってことで!(笑)
3.Bメロ
最初、2小節ごとに転調します。
|B♭monD♭|C7|(Fハーモニックマイナースケール)
|A♭monB|B♭7|(E♭ハーモニックマイナースケール)
この先、キー=G♭です。
|E♭m| G♭onD♭|C♭M7 Gm7onC|Gm7onC|サビに続く
(Gm7onCからキー=Fに転調しています)
Bメロからは結構目まぐるしく展開が変わっていますね!
今までの記事でも散々口が酸っぱくなるほど言ってきた「Aメロとの差別化」をこの曲でもしっかりやっていて、最も分かりやすい「転調」という方法を使って差別化を図っています。
3.1型を移高して繰り返す
最初の2小節のその次の2小節は形が一緒です。コード進行もメロディも!
要は「コピー&ペースト」のようなイメージで、音の高さ等だけ変えて同じ「型」を繰り返しているのです。
同じ「型」が繰り返されることによって、スムーズに曲が流れている感じがしますよね。
これは作曲するときに使えそうですね!あ、別にこの曲のように完璧に同じ形にする必要はないですよヽ(^o^)丿。
あ、そうそう、ベースが順次下降しているのもなかなか上手いですね。('◇')ゞ
3.2トニック以外のメジャーセブンスにおける使用スケール
キー=G♭に転調してからのC♭M7(実質BM7と同じ)ではボーカルのメロディラインに「リディアンスケール」(略してLyd)が使われていて、それが曲中のちょっとしたアクセントにもなっています。
「リディアンスケール」というのはメジャーセブンスコードの上でよく弾かれるスケールで、「ドレミファソラシド」の「ファ」の音を半音上げた形になります。
つまり、その「ファ♯」をメロディに組み込みことによってこれは「リディアンスケール」を使っているよと聴き手に伝えることができます。
この「ファ♯」を特性音といいリディアンスケールを使う時はこの特性音を織り交ぜながらモードの雰囲気を出していくのが良いです。
特徴としては、とても明るいスケールでありアボイドノートがない、メジャーセブンスでよく使われるといったところがあります。
まあ百聞は一見に如かずということで、実際にリディアンスケールがどんなものか次の音声を聴いてみてください。
前者が普通のメジャースケール(アイオニアン)で、後者がリディアンスケールです。
どうです???なんだかいい感じでしょ???(*´ω`)
ではこのリディアンスケールが妖しいニュアンスではどこで使われているか、歌詞をみて説明しましょう。
言えないのね そんなとこかわいい
の「かわいい」の部分に注目!
ここではC♭M7なのでC♭Lydを使うわけです。
そして、ここの「か」が「F」の音でして、C♭Lydではいわゆる特性音にあたります。
(ちなみに、最後の「い」も「F」の音で、この時はマイナーセブンスの7番目の音にちょうどなっています)
このようにメロディラインに普通のメジャースケールとは違うスケールを持ってくることで、より多様なメロディを作ることができるようになるんですね!( *´艸`)
以上のことを踏まえて、Bメロの後半を聴いてみてください。(チープな音ですいません)
聴き手にとっては何気ないメロディでも、作り手はいろいろなことを考えているのが分かりますね!(´ー`)
4.サビ
最初の4小節、キーはFです。
|F|×4
この先、キー=A♭に転調。
|B♭m7 E♭|E♭| A♭M7 Csus4|Csus4 C|
この全体を2回繰り返したのち、2番のAメロにつながる。
4.1サビ内でも転調させる
サビ内でも転調させることでよりひねりのあるメロディが出来上がっています。
また、ここでの転調はお馴染みの短3度上の転調ですね。転調してからはこれまた定番のツーファイブワンで手堅くいっています。
短3度上への転調はこちらの記事でも
seiko-laboratory.hatenablog.com
ツーファイブワンの仕組みについてはこちらの記事で取り上げています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
ばちこりと過去記事を紹介していくううぅぅぅ
4.3アボイドを避ける
2番のサビでは、「妖しいニュアンス♪」と歌っているときにキーボードがメジャースケール(アイオニアン・スケール)を順次上行しているのが分かります。
このとき、きっちりキーボードはアボイドノートである「B♭」を避けています。
短い音なら問題なくても、長い音だと濁ってしまうからですね。
よく分からないという人も実際に聴いてみれば「ああこれか」となると思います。
5.間奏
キーはFです。
イントロと同じようにGm7とFM7の繰り返しになります。
キーが変わっているだけですね。
これもまた、「型」の以高と言えるっちゃ言えるでしょう。
6.全体総括
僕はやっぱりこの曲すごい好きですね!
洒落ていてダサさがない。ギターの使い方も贅沢で曲のノリを良くするのを助けてる。さすが「Sweet Memories」を作った人と言うべきか。
あと、聖子ちゃんの歌がいい!!!(n回目)
でもこれライブで歌ってるの見たことない気がする。
見たいなあ……(ちらっ
ライブでこの曲歌ってほしいなあ……(ちらっ
……だれも見てないか……空しくなってきたところで、今回の記事は〆させていただきます。
皆さん、さよなら、さよなら、さよなら~_(:3」∠)_。
あ、スターほしいです(直球)。モチベーションになります。
松田聖子「Blue」楽曲研究~平行調は表裏一体の関係にある~
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は1988年のアルバム「Citron」からの一曲、「Blue」の楽曲研究です!
ここで、軽ーく「Citron」について触れておきましょうか。(。-`ω-)
「Citron」はDavid FosterというAORで有名な方がプロデュースしたアルバムで、作詞は2曲を除き松本隆さんですが非常に洋楽チックなサウンドになっています。
(このアルバムに関わった二人、デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンが出した有名なアルバム↓)
キーボード系を全面に押し出していたり、ベースもシンセベースを使っていたり、ドラムも打ち込みを使ったりと80年代感あふれ、聖子さんの歌い方もそれに合わせて少し変わっています。
この「Citron」は自分にとっては思い入れがあるアルバムで(前言ったっけ)、松田聖子さんを聴き始めた当初、ちゃんと通しで聴いた最初から2番目のアルバムでした。
というのも当時の僕は80年代の音楽にハマってて、80年代っぽいサウンドに飢えてたんですよ。80年代サウンドくれ~禁断症状出てまう~!みたいな。
そんな時に、松田聖子さんの「Citron」に出会いましてね。
もちろん聖子ちゃんのことは既に知っていて有名なシングル曲は聴いていましたし(飛び飛びでしたが)、「Sound of my heart」というSEIKO名義のアルバム*1も聴いていましたから、すんなりと「Citron」にのめり込むことができました。
「これこれ、こういうの欲してたんよ~_(:3」∠)_」
なかでも「続・赤いスイートピー」には感動して、これすんごいいい曲じゃんって、何度もリピートしてましたね。(´・ω・`)
そもそも「赤いスイートピー」に続きがあるのか!っていう驚き。
まあ「続・赤いスイートピー」についてはまた今度取り上げるとして……。
誰得な思い出話はこの辺りにして、そろそろ「Blue」のコード進行を見ていきましょう。(*´ω`)
作詞は松本隆さん、作曲はTom Keane・Michael Landau・David Foster 編曲はDavid Fosterです。
1.マイナー・ダイアトニック・コード
さて、今回実際のコード進行に突入する前に一つ確認しておかなければならないことがあります。
今回の曲は今までこのブログで紹介した曲とは違い、短調なのです。正確に言うと、E♭ナチュラルマイナースケールです。今まで取り上げたものは全て基本的にメジャースケールだったのです。
このかっこ内は別に飛ばしてもいいです。↓
(ですが、E♭ナチュラルマイナースケールはG♭メジャースケールは構成音が同じであるため(この関係を平行調という)、この曲も長調として解釈しても問題はありません。
というか厳密に区別するのが難しかったりする、若しくはあまり意味がありません。
実際、BメロなんかはG♭メジャーに転調していると考える方が自然です。
ただ、構成音が全て同じでもダイアトニックコードそれぞれの役割が異なるので、この2つの調は似てるようでちょっと違うものなんですね。
今回は、基本的にE♭ナチュラルマイナーとみなして考えていきます。)
ということで、ナチュラルマイナースケールにおけるダイアトニックコードを確認しておきましょう。
曲にならって、E♭のマイナーダイアトニックコードで考えてみます。
E♭m7 (Ⅰm7) Fm7(♭5) (Ⅱm7(♭5)) G♭M7 (♭ⅢM7) A♭m7 (Ⅳm7) B♭m7 (Ⅴm7) C♭M7 (♭ⅥM7) D♭7 (♭Ⅶ7)
(ちなみに、C♭M7はBM7と事実上同じです)
以前でも、借用和音や一時的な転調等で多々出てきたコードもありますね。
今回の曲では、基本的にはこの上記のダイアトニックコードを使うわけです。
次に、この7つのコードの役割について確認しておきましょう。
メジャーダイアトニックと同様に、Ⅰm7はトニック、Ⅳm7はサブドミナント、Ⅴm7はドミナントと考えられます。*2
そして、♭ⅢM7はⅠm7とサウンドが似ているため、トニックの代理として使えます。
これ以外の、Ⅱm7(♭5) ・Ⅳm7・♭ⅥM7・♭Ⅶ7はサブドミナントの代理として使えます。スケールの6番目の音、E♭ナチュラルマイナースケールでいうと「B」が含まれているからです。この件についてはこちらの記事のサブドミナントマイナーについての説明でも取り上げています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
さて、これらを踏まえて今度こそ「Blue」のコード進行に入っていきましょう!(;´∀`)
2.イントロ
キーはE♭mです。
|G♭M7onE♭|G♭M7onE♭|A♭m7|A♭m7|×2
Aメロに続く
2つのコードを交互に繰り返していますね。JPOPに比べて洋楽(というかアメリカのチャートに入るような音楽)は使うコード数が少ない傾向にあります。というかJPOPが多すぎるのかも?
こういう2つのコードの繰り返しや、4つのコードの繰り返し等の「ある一定のコード進行を繰り返す」というのは洋楽のポップスにおいて頻出のテクニックです。
「Citron」の1個前のアルバム「Strawberry Time」の「妖しいニュアンス」のイントロ、Aメロでも2つのコードのみを使い交互に繰り返すことで意図的にJPOP感をなくし洋楽感を出していましたね。
ところで上の2つのコードはどちらもダイアトニックコード、♭ⅢM7とⅣm7です。
♭ⅢM7はトニックの代理、Ⅳm7はサブドミナントであり役割も違いますね。
♭ⅢM7で少し落ち着かせ、Ⅳm7で少し暗く不安定感を出しています。
3.Aメロ
キーは同じくE♭mです。
|E♭m|E♭m D♭ |B♭monD♭|G♭onB♭ C♭|×2
Bメロに続く
ディグリーネームで表すと、
|Ⅰm|Ⅰm ♭Ⅶ |Ⅴm|♭Ⅲ ♭Ⅵ|×2
となります。
そう、お分かりの通りAメロでも使用されているのはダイアトニックコードのみです。
ごちゃごちゃしてなくて潔いでしょ?( *´艸`)
そして|Ⅰm|Ⅰm ♭Ⅶ |はマイナーからメジャー、|Ⅴm|♭Ⅲ ♭Ⅵ|でもマイナーからメジャーの流れになっていて、大きく見るとマイナーからメジャーという「型(パターン)」を繰り返しています。
このように大まかな「型」を決めて繰り返すのも、曲のチグハグ感がなくなって効果的です。
似たような考えはこちらの記事でも解説しています。良かったらどうぞ。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
seiko-laboratory.hatenablog.com
(……ってさっきも貼った記事ですねこれ……。)
4.Bメロ
ここでは平行調のG♭に転調していると考えます。
|C♭M7|G♭ D♭|×2
|C♭M7 |G♭ A♭m|G♭onB♭ C♭|D♭| D♭ |サビに続く
ディグリーネームで表すと、
|ⅣM7|Ⅰ Ⅴ|×2
|ⅣM7|Ⅰ Ⅱm|Ⅰ Ⅳ|Ⅴ| Ⅴ |
となります。
(因みにE♭ナチュラルマイナーの場合、
|♭ⅥM7|♭Ⅲ ♭Ⅶ|×2
|♭ⅥM7|♭Ⅲ Ⅳm|♭Ⅲ ♭Ⅵ|♭Ⅶ| ♭Ⅶ |
となります。)
これまたダイアトニックコードのみ!
な、な、なんて潔いんだああああああ!!!分かりやすくて良い!!うん!!!
Bメロではメジャー調に転調して、「Aメロとの差別化」を図っています。
さらに、その中でも意図的にメジャー系のコードばかりを使っています。
わりとマイナー感があった「Aメロ」と対比させるために「Bメロ」でメジャー系コードを多用したんですね。
ほら、実際聴いてみても明らかにAメロに比べて明るい感じがするでしょ?
使っている音自体は同じでも、使いようによっては違うように聴こえる。
だから平行調は表裏一体だって言われるんですね!(*´ω`)
また、Bメロではほとんどがいわゆるスリーコード(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)であり、非常にシンプルな構成になっています。
「Aメロとの差別化」を図ることに関してはこちらの記事でも取り上げています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
ちなみにこの記事の曲もAメロでは2つのコードのみを繰り返していたり、コード進行のみに絞ってみれば共通点が見えますね。「本気にSORRY」では「Blue」とは反対にBメロでマイナー感を強く出しています。
5.サビ
キーはE♭mに戻ります。
|G♭M7onE♭|G♭M7onE♭|A♭m7|A♭m7|×2
この後、Aメロに戻る。
♭ⅢM7とⅣm7の繰り返しですね!
そうです、皆さんお気づきの通りこれはイントロのコード進行と同じです。
この進行はこの曲のメインディッシュみたいなもんなんですね。(*'ω'*)
しかも、コード進行だけでなく、ドラムパターン、ベースライン、ギター等の細かいサウンドも大体一緒です。(; ・`д・´)
曲中で何度も同じフレーズを繰り返すことでより聴き手に強く印象付けているのでしょう。
イントロのあれが布石になっていて、それをまたサビに持ってくることで2度美味しいというわけです。
ところで、イントロの型をサビに持ってくることについてはこちらの記事でも取り上げています。(^。^)y-.。o○
seiko-laboratory.hatenablog.com
(またこの記事かよとか言わないで(´;ω;`) ちゃんと目当てのチャプターに一発で飛べるようにそれぞれしてるから(´;ω;`))
6.2番の後の間奏(Cメロ)
|G♭monD♭| G♭monD♭| D♭M7 |D♭M7 |×2
の後ギターソロ
|G♭m|G♭m|A♭| A♭|A| G♭m|A♭sus4| A♭|サビに続く。
キーについてですが、|G♭monD♭| G♭monD♭|のときはD♭ナチュラルマイナースケールに転調していると考えられます。
サビの最後のA♭m7を仮のドミナントとみなして自然に転調しているのです。(あくまで一つの解釈です)
そして、| D♭M7 |D♭M7 |のときはキー=D♭mからD♭メジャースケールに転調しています。これも同主長調への転調なのであまり違和感なく転調できます。
その後、ギターソロが入ってからは、D♭ハーモニックマイナースケールに転調しています。
ディグリーネームで表すと、
|Ⅳm| Ⅳm| ⅠM7 |ⅠM7 |×2
|Ⅳm|Ⅳm|Ⅴ|Ⅴ|♭Ⅵ| Ⅳm|Ⅴ|Ⅴ|
転調を多用してドラマチックな展開を作っていますね!
ギターソロもしっかりツボを押さえています。
個人的な好みの話になりますが、僕はギターソロ大好きで(幼い頃からメタルとかばかり聴いてきた弊害か)好みのギターソロがあったりするとそれだけでその曲を好きになります。女子にボディタッチされたら一発で落ちる中学生男子的なあれです。
んで、ぶっちゃけ、この曲のギターソロは特別凄いテクや、変則的なフレーズが使われているわけでもなく、楽曲の雰囲気を損なわない程度に抑えられています。
それでもフレーズの選び方がやっぱりとても上手いので、難しいソロでなくとも十分アクセントになっていると思います。
具体的に言うとすれば、G♭mのとき、第3番目の音「A」から入ることでマイナー感を強くだしたり(第3番目の音はメジャーかマイナーかを決める重要な音)、チョーキングを使って「歌わせたり」(特に最後が顕著)。
7.全体総括
今回、初めてマイナー調の曲を取り上げました。
やはりマイナー調ということもあって、終始どちらかというと暗い雰囲気が漂っています。(特に今までの聖子ちゃんのシングル曲と比べると)
サビも♭ⅢM7とⅣm7の繰り返しでドミナントがないのもあって、終始ふわ~っとしていますよね。
アメリカのポップスとかこういうの多いし、僕はわりとこのパターン好きなんですけど、皆さんはどうでしょうか?(*'▽')
僕はシングル曲のマラケッシュよりこっちのが断然好きかもですね。
マラケッシュはちょっと編曲がダサく感じるというか、なんか中途半端な感があるなあとどうしても思ってしまうので。。。(いやなんだかんだマラケッシュはあれはあれで結構好きなんですけどね(/・ω・)/)
歌詞もこれ、失恋の詩でしょうか。暗い話なのは間違いないです。捉えようによってはちょっと怖さも感じるかも。(; ・`д・´)
聖子ちゃんの歌に関しては……正直、文句の付けようがないというか、間違いなく上手いし声も通るし高音も出てるし、ノリにノッてるなあと思います。(*'▽')
過去の自分もこの頃の聖子ちゃんの歌を聴いて少しずつ松田聖子さんの虜になっていったので、聖子さんのこと知らない人が聴いても上手いと感じるのではないでしょうか。(・∀・)
ということで、「Citron」からの1曲「Blue」 おすすめです!!!!!
PS.最後のサビで流れる英語セリフがどうしてもよく分かりません。(´;ω;`)
「come close to me」とかは聞き取れましたが他はいまいち分からない箇所が……。(´;ω;`)
分かる方、もしよければ教えてくださいお願いします。m(__)m
松田聖子「Let's Boyhunt」楽曲研究~歌いやすさとカッコよさの両立~
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は「Let`s Boyhunt」の楽曲研究です!
この曲はとてもポップでキャッチーなので好きな方多いんじゃないでしょうか。かくいう僕もほんとに好きで、シャッフル再生でこの曲が巡って来ても大抵スキップしません。ということはスキップする曲もあるということ?
作曲の林哲司さんの曲は良いのが多くて(聖子ちゃん以外も含め)、僕はすごく好きなのが多いんですよね。ここでは、「Let`s Boyhunt」の魅力をできるだけ伝えられたらいいなあと思っています!(*´▽`*)
それではコード進行を見ていきましょう。
1.イントロ
キーはA♭です。
|A♭ B♭m7onA♭ A♭|A♭|×4の後
|A♭|E♭onA♭|G♭onA♭ |B♭m FmonC B♭monD♭ E♭|Aメロに続く
1.1スラップ奏法でよりリズミカルに
最初の8小節、ベースがスラップ奏法でノリを作っています。スラップ奏法についての説明をWikipediaから引用してみます。
親指で弦を叩くようにはじく動作=サムピング(英: thumping)と、人差し指や中指で弦を引っ張って指板に打ちつける動作=プリング(英: popping)があり、この二つの動作を組み合わせる事で打楽器のようなパーカッシブな効果が得られる。
この曲のイントロの場合、基本的にオモテ拍ではミュート(休符)、ウラ拍でプリングをしているわけですね。
よりベースの打楽器性が強調される形になります。
(ほぼA♭で固定しているのも、よりドラム的な役割をさせたいと考えたからではないでしょうか。)
また、シンコペーションをしたりして間延びしないように工夫されています。
「拍」やシンコペーションについてはこちらの記事でより詳しく説明していますので、未見の方は是非(´ー`)
seiko-laboratory.hatenablog.com
ただ、スラップ奏法はやりすぎたりバラードな歌のバックで演奏すると、歌の邪魔になってしまうので、やりすぎは禁物です。何事もほどほどが一番ってことですね。(*>∇<)ノ/
1.2 ♭Ⅶ
赤字で書いたのはこのブログを毎回見てくれている人(そんな人いるのか?)にはお馴染みの♭Ⅶ、非ダイアトニックコードですね!(^。^)y-.。o○
そしてやはりお馴染みの、同主短調からの借用和音です。
つまり、この場合だとキー=A♭mのダイアトニックコードを使っているということです。(@_@)
これについてはこちらでより細かく解説していますよ!(*'ω'*)
seiko-laboratory.hatenablog.com
2.Aメロ
キーは同じくA♭です。
|A♭ Cm B♭m|B♭m |A♭6|A♭M7 A♭6|×2
Bメロに続く
Aメロに入って、ベースも動きを見せ始めました。順調に面白くなってきましたね。('◇')ゞ
2.1最低限のルール
ベースが単にルート音を弾いている訳ではなく、独自のメロディラインを構成してますね!
聖子さんが歌うメロディラインと、ベースのメロディラインの二つがあることで聴き手も飽きずに勢いを保ったまま聴くことが出来ます!
また、ベースラインはテキトーに弾いているわけではなく、最低限のルールを守って演奏しているのが聴いていてよく分かります。
今回で言えば、コードチェンジと同じタイミングできっちりルート音を弾いている点。
A♭に変わった拍でAを、Cmに変わった拍でCを、B♭mのときも4拍目のウラにきっちり合わしています。
バンド全体で合わせるところはきっちり合わせないと、曲に締まりがなくなるし一体感もリズム感もあったもんじゃありませんよね。( ;∀;)
3.Bメロ
キーはA♭です。
|B♭m|E♭onG|Cm|F7(♭9) |B♭m D♭|D♭|E♭| E♭ A♭|サビに続く
最後のA♭はサビの始めのコードがシンコペーションしてるだけです。
3.1ベースは出しゃばらない
Aメロとはうってかわってベースがおとなしくなりましたね。
ここは、聖子さんの歌声を存分に聴かせるところなので、ベースは陰で見守るぐらいがちょうどいいのです!(´・ω・`)
ただ、ここでもベースラインで一つ「上手い」と思うところがあって、それが「E♭onG」の部分です。
これだけ見れば単なる転回形*1なんですが、大事なのはその「前後」なんですよ。(まあ今回は後の方が大事かな。)
ベースの動きだけ見ると、「G→C→F→B♭ 」のようになるのですが……何かに気付きませんか……?
「ではそこで居眠りしている田中くん、答えてください。(;^ω^)」
……というのは冗談ですが、画面の前の皆さんも一応考えてみてくださいねヾ(@⌒ー⌒@)ノ
答えは番組の最後に発表!!! これがやりたかっただけ。
3.2一時的にキー=B♭mに転調
「F7(♭9) →B♭m」のところです。 歌詞で言うと、
カップルたち
の部分ですね。
ここで一時的にB♭ハーモニックマイナーに転調しています。
ハーモニックマイナースケールについてはこちらの記事でも触れています。(´・ω・`)
seiko-laboratory.hatenablog.com
3.3たった一文字、されど一文字
Ah リフトを待つ
カップルたち
この辺りをコードの機能とともにより深く掘り下げてみましょう。
まず、AhがⅡmで「リフトをま」がV(ドミナント)、「つ」がⅢm(トニックⅠの代理コード)、ということでツーファイブワンの形になっていますね。
「リフトをま」で不安定さを感じ、「つ」で少し解決感を感じ落ち着きます。ですが、代理コードなのでまだちょっとふわっとしてますね。
次も見てみましょう。
「カップルた」でF7(♭9)(セカンダリードミナント)、「ち」でB♭m(仮のトニック)ということでここでもドミナントモーションが出来ています。
「カップルた」でまた不安定になり、「ち」で少し落ち着く、がまだふわっとしてる。(しかもマイナー感があり、今度はどこか哀しげ)
この不安定さ、ちょっとしたジェットコースター感が歌詞と合っていて、主人公の心情の揺れ動きを見事に表現していると思います。
シングルガールである主人公はリフトを待ちながらイチャイチャしているカップルを見て、つまらなさや哀しさなどいろいろな感情を持つでしょう。
この主人公が感じるモヤモヤ感を聴き手は音楽を通して追体験するわけです。
そして、このモヤモヤ感を吹き飛ばすがごとく、サビでは軽快にポップに爆発させます。
ちなみに、ツーファイブワンやドミナントモーション、セカンダリードミナントについてはこちらの記事で説明してます。
seiko-laboratory.hatenablog.com
4.サビ
キーは同じくA♭です。
{|A♭ Cm7 D♭ B♭m7|B♭m7 A♭|A♭ Cm7 D♭ B♭m7|B♭m7 A♭|A♭ Cm7 D♭ Dm7(♭5)|Dm7(♭5) G7(♭9) Cm|}Cm |E♭ A♭|
一度最後までいって、{}内をもう一度繰り返した後、
|Cm F|F|B♭m7|E♭|
この後、間奏に入る。
4.1「歌いやすさ」と「カッコよさ」を両立したメロディ
出てきましたね、「Ⅱm7(♭5)→Ⅴ7(♭9)→Ⅰm」が!
マイナーキーにおけるツーファイブです。(*'ω'*)
この場合、キー=Cmに一時的に転調しています。
この曲では「Dm7(♭5)→G7(♭9)→Cm」の部分。特に最初のDm7(♭5)は意外性抜群でこの曲において大きなアクセントになっています。(わりと急に転調しているうえに、元々耳に残るようなコードですからねヽ(^o^)丿)
「Ⅱm7(♭5)→Ⅴ7(♭9)→Ⅰm」についての詳しい説明はこちらで行っていますので、良かったらご覧ください!
seiko-laboratory.hatenablog.com
さて、この記事でも言った通り、「G7の♭9th」は「Dm7(♭5)の♭5th」でもあるのですが、この曲のツーファイブ部分のメロディにまさにその音(A♭)が使われています。
歌詞でいうと、
こちらからは誘っちゃだめ
の「は~」の部分と「っ」の音がそれです。
つまり、「Ⅱm7(♭5)→Ⅴ7(♭9)→Ⅰm」のチャームポイントである音をメロディに使うことによって、より「マイナー感」を強めているわけですね。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
また、いきなり転調したりすると音程をとるのが難しかったりしますが、この曲では歌いやすいようにきちんと考慮されています。
「こちらから」の「か」で予めA♭を通っておくことで(この時点ではコードの構成音なので難しくない)転調してからもスムーズにA♭の音をとれるようになっています。
大きな跳躍もなく、基本的に隣の音に段階的に進んでいるのも歌い手にとっては助かるでしょう。
それを踏まえたうえで、「Ⅱm7(♭5)→Ⅴ7(♭9)→Ⅰm」の部分を聴くと、ここのメロディの特徴がよく分かると思います。(*´ω`)
5.間奏
キーはA♭です。
|A♭|A♭ |D♭|Dm7(♭5) |A♭onC|F|B♭onD| CmonE♭|(細かいテンションノートは省略しました)、イントロに続く。
この曲では間奏になるとともに4拍子から6拍子に変わります。
曲中で拍子を変えることで緩急をつけているんですね!
以前書いた記事のなかでは、「LOVE SONG」なんかも途中で拍子が変わっていましたね。(*'ω'*)
seiko-laboratory.hatenablog.com
6.全体総括
いや~いいですね!
やっぱり特にサビ!メロディ、コード、リズム、そして歌詞までもが上手くかみ合ってるからすんごいエクスタシーがある。
あと、ついつい口ずさんでしまうメロディ。これって結構大事なことかも知れない……。(。-`ω-)
「レッツボーイハント」を何回も繰り返すのもいいよね。いわゆる曲の「キメ」のところだし、一発で歌詞とメロディ覚えるし。うん。繰り返しは大事。めちゃめちゃ大事。
あ、そうそう。
ここで、「Bメロ」の項で出した問題の答えを紹介します!!
わざわざE♭onGという転回形を使って「G→C→F→B♭ 」というベースラインにした驚愕の理由に一同涙……!!!(youtuberサムネイル風)
まあここまで読んでくださった方はもうお分かりですよね。
そうです。強進行です。
言い方を変えれば、「G→C→F→B♭ 」の間は常に完全4度上行(もしくは完全5度下行)になっているのです。
強進行は、トニックへ解決する流れがより強くなります。
そして、それを連続させることでよりスムーズに曲が流れ、大きな推進力となるのです。
転回形を使うときは、このようにベースラインをスムーズにさせるための場合が多いです。転回形を見つけたらその「前後」のベースラインを確認しましょう!
この曲や記事についての感想、不満、そこの理論orコード間違ってるよバカ、とかとかもし何かあったら気軽にコメントどうぞ。(*´▽`*)
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*1:構成音は同じだけど、ルート音が違う。より詳しく知りたい人はググってください
松田聖子「Gone With The Rain」楽曲研究~いわゆる切ないメロディはどのようにして生まれるのか~
Good Morning!And in case I don`t see you,good aftarnoon,good evening and good night!
……これが何のセリフか分かる人は恐らく映画好きですね。
さて、僕は研究員第一号のいっきゅうと申します!
ついこの前、名古屋の聖子ちゃんのライブ行ってきましてね、いや~これが本当良かったんですよ、もうあの時の多幸感たるや。。。
それは置いといて、早速本題に参りましょう。
今回は「Gone With The Rain」の楽曲研究です!
1997年12月に発売された曲です。1997年といえば、ちょうど僕の生まれた年なんですよね~。
だから何だって話ですが、やっぱりちょっとそういうのって意識してしまう。_(:3」∠)_
……この曲、噂によると聖子ちゃんも好きな曲らしいです、噂によると。
僕も結構好きなんすよね~いや~聖子ちゃん趣味が合いますね~_(:3」∠)_
作詞seiko matsuda、作曲seiko matsuda & 小倉良、編曲:鳥山雄司 です。
では、いつものようにコード進行を見ていきましょう。
なお、忙しくてあまり時間が取れない人は一気に目次からチャプター4に飛んでください。その辺りが一番のメインなので。。。
1.イントロ
キーはAです。
|A DonA|EonA DonA|×3の後
|A DonA|EonA DonA|A DonA A DonF#|DonF# EonG# |Aメロに続く
トニックのA、サブドミナントのD、ドミナントのE、基本である三つのコードをギターで演奏して非常に落ち着いたイントロになっていますね。特に言及することもないので次いきましょ(/・ω・)/
2.Aメロ
キーは同じくAです。
前半
|A |EonA DonA|A|EonA A EonG#|F#m|AonE|G|D|A DonA|EonA DonA|
赤字のGは♭Ⅶであり、この曲においては一時的にキー=Dに転調したと考えるのが自然でしょうか。(多分作曲者はあんまり深く考えてないと思います)
後半
|A |EonA DonA|A|EonA A EonG#|F#m|AonE|GM7|D Dm|A DonA|EonA A|
Aメロ後半から聖子ちゃんのセルフコーラスが入り、ゆっくりと曲のボルテージを上げていきます。Dmなんか入れたりしちゃって前半との差別化を図っているのが分かります。
3.Bメロ
キーは同じくAです。
|G|D|A A7|A7|G|DonF#|G#m7 C#7| C#7|サビに続く
Aメロでも登場したG→Dの流れの意味は先ほど説明した通り。
赤字のA7はセカンダリードミナントであり、「Dを仮のⅠ(トニック)とみなした時のV7(ドミナント)」です。(´▽`)
要はここでも一時的にキー=Dに転調しているわけです。
そういうわけで、キー=DにおけるサブドミナントのGをA7の次に持ってきている、と。
ちょっと素直じゃないけどこれくらいはコード進行界隈(なんだそれ)では日常茶飯事です。(-。-)y-゜゜゜
「セカンダリードミナント」についてはこちらの記事でも取り上げています!時間があったら是非!( ^^) _旦~~
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4.サビ
短三度下に転調してキー=F#マイナー(ハーモニックマイナースケール)です。
|DM7|C#7 F#m|G#m7(♭5) C#7(♭9)|F#m Em7 A
|DM7|C#7 F#m|DM7 AM7onC#|Bm |Asus4onE|
4.1ハーモニックマイナースケールについて
サビではハーモニックマイナースケールが使われているのですが、ここではそれについて簡単にだけ説明します。ちょっとややこしいんで読み飛ばしてもらって構いません。多分分かりやすい動画とか探せばあると思うんで。(´ー`)
結論から言ってしまえば、「ナチュラルマイナースケールの第7番目の音を半音上げたもの」です。
なぜ、わざわざそんなことをするのかと言うと、そうしないとドミナントモーション時の解決感が薄いからです。
ナチュラルマイナースケールの時のドミナントはVm7であり、ドミナントモーションに必要不可欠な「トライトーン」*1が存在しません。
そこで、「ナチュラルマイナースケールの第7番目の音を半音上げて」V7になるようにし、「トライトーン」を持たせ、ドミナントらしい解決感を作ったのです。
「トライトーン」がなぜ必要不可欠か?不協和な二つの音がそれぞれ半音進行して協和な音程に変化する、それこそがドミナントモーションによる解決感の原因だからです。
4.2マイナーキーにおけるツーファイブ
来ましたね!!!
今回の山場part1が!!!
G#m7(♭5) →C#7(♭9)→F#mに注目!
もうね、僕からしたら正に「実家のような安心感」ですよ。
これはキー=F#マイナーにおけるツーファイブです。
C#7(♭9)のテンション♭9th(この場合、Dの音)が重要で、トニックの5度の音に半音進行する音を補っています。
また、この♭9thはG#m7(♭5)の♭5thでもあるので、しばしばこの音はペダルポイント*2として使われます。実際にこの曲でもこの音(Dの音)はコーラスが歌っている部分で、しっかりとペダルポイントになっています。
以上のマイナーキーにおけるツーファイブについての話は、Ⅱm7(♭5)→V7(♭9)→Ⅰm7 として一般化できます。(*'ω'*)
4.2キャラクタリスティック・ノート(アボイド・ノート)をメロディに使う
これが今回一番の山場です!
上記のG#m7(♭5) の時のメロディについての話です。
歌詞で言うと「だ~れより~も~」の「だ~」の部分。
例によって結論から言ってしまうと、この「だ~」、アボイドノートを使っているんですよね。
アボイド・ノートってのは、アベイラブル・スケール(各コードで使用可能なスケール)上で、使用するとき注意しなければならない音のこと。
ボイシングの際には使ってはいけませんが、メロディなどに短く使う分には割と問題ありません。
この曲の場合、G#m7(♭5)で使われるスケールはロクリアン(Locrian)であり、2番目の音、つまりAの音がアボイド・ノートに当たります。(ルートのG#と半音でぶつかっているからです)
ですが、「だ~」はAの音なんですよね。(まあ、厳密に言えば一瞬G#の音から始まってAに上がっている、そしてその後「れーよ」でG#に戻るので刺繍音としてAを使っているとも言えます。)
この曲ではわざとアボイド・ノートのAの音を、しかもサビのいっちばん盛り上がるところで使っています。いや~うまい!うますぎる!十万石饅頭。
このアボイド・ノートは本当に取り扱いが危険で、使いすぎると不協和すぎて訳わからんくなったりします。
が、ここぞという時に使えば曲のイメージを印象付けたり、フックになったりするんですなあ。(-。-)y-゜゜゜
こんなのをAメロとかから使ってたら興ざめ。ここぞという時に使うから効果的。
アボイド・ノートはそれぞれのスケールの響きを印象付けるという効果もあり、この曲の場合、ロクリアンの雰囲気をより強調していることになります。
ロクリアンというのはとてもマイナー感の強い(というか一番)モード*3で、なんというか暗いというか切ないというかそんな感じがします。(俺調べ)
そこにさらにアボイド・ノートを使ってロクリアンをより濃くするわけです。水よりカルピスの原液の方が多いって感じです。
結果、切な~いサビの出来上がりってわけですよ。くう~たまらん!
しかも考えなしにこのようなことをしたわけではなく、ちゃんと歌詞とリンクしています。
愛していたわ
誰よりもずっと…
誰よりもずっとあなたのことを愛していたのに…という切ない歌詞と相まって感情が爆発しています。聖子ちゃんの歌からも哀しみが伝わってくる、さすが上手い。これぞ音楽の力!(; ・`д・´)
5.大サビ
キーはA。
|DM7|AonC# |Bm DonE AonC#|DM7|C#7 F#m |DM7 AonC#|Bm|DonA|A DonA|......後はイントロと同じ。〆のコードはA。
どうでしょう。前のサビよりちょっと明るい感じがしますよね。(*´ω`)恐らく意図的に、曲の物語に合わせて雰囲気を変えているんですね。
この雨に流すのよ
あなたへの想いすべて
泣けるだけ泣いたら
新しい私になれる
今までは失恋の哀しみを歌ってきましたが、この大サビでついにそれを乗り越えるわけです。
正にクライマックスです!
新しい私になるというポジティブな場面なので、当然明るい曲調がベストでしょう。
今までのマイナー感たっぷりのサビと対比することによって、よりここでのハッピー感が際立つのです!!!
もちろん、大サビが比較的明るい原因はメジャー系のコードを多用しているからです。キーもAメジャーに変わったと考えていいでしょう。
6.全体総括
……はあ、疲れた。。。今時計見たら深夜2時をまわってたよ。もう力尽きたよ。疲れたよ、パトラッシュ。。。
今回、やっぱりサビのメロディが好きですね。上記の通り、敢えてアボイド・ノートを使うっていうアレ。聴いてて引っかかる部分だから、良くも悪くも癖になるんですよねー。(。-`ω-)
あとはまあ、上では書かなかったけどイントロでEの音がペダルポイントになっていたり、細かいところのシンコペーションとか書こうと思えばこれの3倍ぐらいはいけると思うけどきりがないんで書きません。。。
欠点を挙げるとすれば、リズム的な面白みに欠けるというかノリがないってとこですかね。でもそれを期待するような曲でもないし、やっぱりどうでもいいかも。
タイトルを最後の最後で回収するという手法もお見事ですね。
歌詞も主人公の葛藤、成長ともにちゃんと描かれていて個人的には良いと思います!
……ということで、「Gone With The Rain」 おすすめです!!!
松田聖子「Rock’n Rouge」楽曲研究第2回~裏コードという概念
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は「Rock’n Rouge」の楽曲研究第2回です!
前回はAメロのリズム、ビートについて語りましたね。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
今回はこの曲のコード進行に注目してみようと思います。
作詞は松本隆さん、作曲は松任谷由美さん、編曲は松任谷正隆さんです。
前回の記事はこちらです!
seiko-laboratory.hatenablog.com
1.イントロ
キーはCです。
|C|B♭onC |FonC|A♭onC|C|B♭onC |FonC|A♭onC A♭ B♭ C|Aメロに続く
はい出ました!
この曲のヒットを決定的なものにした印象的なイントロが!
このコード進行を思いついた時点でこの曲の半分は完成したといっても過言ではない?ぐらい癖になるイントロですよね。
そしてこのコード進行はAメロにもそのまま使われています。
1.1分数コードを巧みに用いる
作曲者(つまりユーミン)がどうやってこのイントロを作ったのか、と考えてみましたが、
恐らく最初に「同じベースの旋律を繰り返す」ことを決めたのではないでしょうか。
「分数コード」を巧みに用いてベースを C で固定する、この曲の発想はそこから始まっているのでしょう。
ベースは一定のパターンを何度も繰り返しますが、コード進行自体が変わるので飽きないんですねー!(´・ω・`)
また、似たような考えに「ペダルポイント」というものがありますね。
「ペダルポイント」についてはこの記事で解説しています。(゜o゜)
seiko-laboratory.hatenablog.com
1.2同主短調からの借用
それから、ここでのコード進行で使われている非ダイアトニックコード、いくつかの方法で解釈ができるかと思いますが……
ここでは「同主短調からコードを借りている」と考えるのが単純明快でしょう!
「B♭」と「A♭」はどちらもCナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードです。
この同主短調からの借用和音を挟むことで、メジャースケールなのかマイナースケールなのかのはっきりとした色が出ずにふわっとした感じになるんですね。(*'▽')
特にここでも使われている「♭VI」と「♭VII」は頻出なので要チェックです!
ちなみに、こちらの記事で研究している「真冬の恋人たち」のイントロでも同じく同主短調からの借用が行われていますよ!
seiko-laboratory.hatenablog.com
2.Aメロ
キーは同じくCです。
|C|B♭onC |FonC|A♭onC A♭ B♭ C|C|B♭onC |FonC|A♭onC A♭ B♭|Bメロに続く
2.1イントロのコード進行をそのまま持ってくる
一目瞭然ですが、イントロの進行をAメロでもそっくりそのまま使っています。
こうすることによって、スムーズにAメロに移行することができているのですね!( *´艸`)
3.Bメロ
キーはE♭です。お馴染みの短三度上の転調ですね。( ^^) _旦~~
|A♭|A♭ |E♭onG|E♭onG|Fm7 A♭M7|Fm7 A♭M7|G7sus4|G7 C|Aメロに戻る
3.1「差別化」を図る
イントロやAメロとは打って変わって、スケール内の音を使ったコード進行になっています。
ふわっとした印象のあるAメロから、きっちりとメジャースケール感のあるBメロに。
「差別化」をして楽曲にメリハリをつけているのです。(*‘ω‘ *)
BメロでAメロとの差別化を図ることについては、こちらの記事でも取り上げています。↓
seiko-laboratory.hatenablog.com
3.2 短3度上の転調
短3度上に転調するテクニックは作曲するにあたってよ~~~く使われます。
CナチュラルマイナースケールとE♭メジャースケールは構成音が全く同じであり、
違和感なく転調することができるのです。*1
短3度上の転調はこちらの記事でも取り上げていますよ!↓
seiko-laboratory.hatenablog.com
イントロ→Aメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロときてついにこの曲はCメロ(といっても短いけど)に突入します。(^。^)y-.。o○
4.Cメロ
キーはCmです。
|Bdim7|Cm E♭onB♭|A♭ B♭|C|サビ(ピュアピュア)へ
キー=E♭からBdim7を経てキー=Cmに転調。
後半の|A♭ B♭|C|の流れはAメロの4小節目と同じ流れですね。(´▽`)
4.1ドミナントの代理としてディミニッシュを使う
Bdim7の構成音は「B、D、F、A♭」となり、これはG7(♭9)とほぼ同じです。
この場合、Bdim7はドミナントのG7の代理になり得て、Cmへと進むドミナントの役割を担います。
このドミナントの代理として使われるのは、ハーモニックマイナースケール*2上のダイアトニックコードのVIIdim7です。
今回、このBdim7の部分だけCハーモニックマイナースケールになっているんですね!
5.サビ
キーはCです。
|C|Dm7 |G7|C|Am7 |Dm7 B♭7|Am7 D7|Gsus4| G7|Dm7 |G7|C|A7 |Dm7 B♭7|Dm7onG |C|イントロに続く
5.1メロディはそのまま、伴奏は変える
サビの始め、「ピュアピュアリップス」と「気持ちはYes」は言うまでもなく同じ音程、リズムです。
ですが、メロディのバックで鳴る伴奏を変えることによって、同じメロディでもガラッと印象は変わります。
今回、「ピュアピュアリップス」の時は|C|Dm7 |G7|であり、皆さんご存知ツーファイブですね。どちらかというとドラマチックな響きになっています。
対する「気持ちはYes」の時の進行は|G7|C|Am7 |であり、I→VIm7と落ち着いた流れになっています。
このように、「メロディはそのままで、コード進行は変える」というのはよーく使われているテクニックなんですね。(>_<)
そうそう、同じテクニックがこの曲のAメロでも使われていますよね!
「(ベースの)メロディはそのままで、コード進行は変える」ってことです!ヽ(^o^)丿
5.2裏コード
KISSはいやと言っても 反対の意味よ
ここでの「いーやといってもはーんーたーいーのーーーいみよーー」の部分のコード進行が|Dm7 B♭7|Am7 D7|Gsus4 |G7|です。
この部分はもう一時的転調しまくりで……(笑)
まず気になるのが「B♭7」ですが、これは例によってキー=Cの同主短調、つまりCナチュラルマイナースケールのダイアトニックコードだという考え方ができます。
そしてもう一つ、次にAmが来ていることからこのB♭7はE7の裏コードとも言えます。
……といきなり言われても「???」って感じだと思うので簡単に説明します。
結論から書くと、ドミナントの V の代わりに皆さんは ♭II を使うことができるんです!ヽ(^o^)丿
今回の場合だと、本来Am(I)に進行したいときのドミナントはE7(V7)ですよね?ここでE7の構成音を見てみましょう。
E7・・・E G♯ B D
次にB♭7(♭II)の構成音を見てみましょう。
B♭7・・・B♭ D F A♭
ここで何かに気付きませんか?
そうです。どちらにもDとA♭(G♯)が入っています。(*‘ω‘ *)
これがトライトーンと呼ばれる重要な要素であり、これが♭II7にも入っているのでG7の代わりに使うことができるんですね!
この♭II7がいわゆる裏コードと名付けられているのです!(´_ゝ`)
5.3余白のあるメロディ
Aメロ、Bメロと盛り上がってきてさあサビはどうなる!?ってところで「ピュアピュアリップス」や「気持ちはyes」等非常に短いフレーズが来るところに意外性がありますよね。
最初にこのサビを聴いたときはもう度肝を抜かれた想い出があります(笑)そう来るか~って感じ。( 。゚Д゚。)
こういう詰め込みすぎないメロディ、ある程度短いフレーズを使って余白を残すメロディって僕はすごい好きなんです!(*>∇<)ノ
そんでもって聖子ちゃんの歌いかたが上手くて、ついBメロ最後の勢いのまま「ピュアピュアリップス」を歌ってしまいそうですが彼女はきちんとテンションを抑えて、フォルテからピアノに落として歌ってるんです。
この辺の強弱の付け方とかは見事だなーって感じます。( ノ^ω^)ノ
「まあまあ一旦お茶でも飲んで落ち着こうか」ってサビで聖子ちゃんに諭されている
気分になります。(*T^T)
6.全体総括
最後に聖子ちゃんの歌について触れたいのですが、これがやっぱり素晴らしいんですよね。
第一回でもAメロの歌唱の巧みさ等にもう既に触れていますが、全体を通して聴いても聖子ちゃんの歌唱は文句なく良いなあと感じます(*´▽`*)
あえて曖昧な表現をしますが、彼女はこの曲の本質を正しく理解し、曲の魅力を最大限引き出す最適解を見つけ出し、しっかりとそれを表現できていると思います。
この「本質を理解する」という能力は本当に持って生まれた才能だと僕は思います。
正直もっと書きたいこともあるのですが、長くなるのでそれは第3回の時に書きたいと思います。
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聖子ファン的「ゾンビランドサガ」考察~紺野純子が松田聖子をモデルにしていると考える9つの理由
- 1.「ゾンビランドサガ」ってどんなアニメ?
- 2.昭和のアイドル「紺野純子」
- 3.「紺野純子」と「松田聖子」の共通点とは?
- 4.紺野純子は初期松田聖子を意識している
- 5.最後に、「ゾンビランドサガ」ファンと聖子好きの方々へ
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は、「ゾンビランドサガ」というアニメについて考察してみます。
もちろん、松田聖子研究室で取り上げるのにはそれなりの理由があって、このアニメ、アイドルをテーマにした作品なんです。
それでは詳しく説明、考察していきます。
1.「ゾンビランドサガ」ってどんなアニメ?
ゾンビランドサガというアニメは一口では言い表せないほどたくさんの要素が詰まったアニメなのですが、僕がこのアニメを一言で言うとすれば、
「笑いあり、感動ありのスポ根アニメ」
と言います。
簡単なあらすじはいうと、死んでしまいゾンビとなった主人公たち(女)が佐賀を一世風靡するぐらいのアイドルグループを目指すというスポ根物語です。
ゾンビになった彼女らが生きていた時代も明治から昭和、平成まで様々です。
それ故に、世代間の違いからくる衝突が多いのもまたこのアニメの面白いところです。
あとこのアニメのすごいところは、実際の歴史に近い形で日本の今までの「アイドル」を勢ぞろいさせているところ。
え、何でゾンビなのにアイドル?だとかそもそもゾンビってなんやねん、とか思ったのそこのあなた。(/・ω・)/
是非実際にアニメを観てその内容を確かめてください!(*>∇<)ノ
2.昭和のアイドル「紺野純子」
そして、今回このブログで深く取り上げるのが「紺野純子」というキャラクターであります。
彼女は作中では「伝説の昭和のアイドル」と呼ばれていて、1980年代アイドルブームの火付け役となったそうです。
普段は礼儀正しく周りには常に敬語を使うしっかりとした育ちのよい女の子です。
おとなしめの性格ですが、歌う時になると一変、低音を生かしたパワーあるボイスを駆使しています。
ところが1983年12月9日の19歳に彼女は不幸にも飛行機事故で亡くなってしまいます。( ;∀;)
本当ならば初の九州ツアーを開催する予定でした。(@_@)
もちろん、現実世界ではその火付け役は我らが松田聖子なわけですが、恐らくこの世界には松田聖子という人物は存在していないのだと思います。
そうでなければ純子は「1980年代アイドルブームの火付け役」なんてこと言われないでしょう。
いや、聖子ちゃんだけでなくモーニング娘やAKB48など現実世界の主要アイドルが皆他のものに置き換わっていると考えてまず間違いないでしょう。
ただ、大きな流れというか、アイドル史の大体の部分は現実世界と同じなのだと考えます。
もしかして紺野純子と松田聖子には多くの共通点があるのでは?と思い居てもたってもいられずにこの記事を書いています。
それに、ガチの聖子ファンがこのアニメに関して語っているのを今のところ見たことがないので、これは書くしかないだろっていう。
松田聖子に関するありとあらゆるものを研究しようと銘打ってるのですから、これはもう研究してみるしかないよね!(´_ゝ`)
3.「紺野純子」と「松田聖子」の共通点とは?
さあ、ここからは徹底的に二人を比較していきましょう。
まず最初に僕が思う、二人に共通、酷似しているという点を箇条書きでまとめてみます。
- 活躍した時代、年齢
- 髪型
- 立ち居振る舞い
- アイドルになった動機
- 歌、声の特徴(設定)
- 好きな食べ物、嫌いな食べ物が一致
- ピアノが趣味
- 血液型(A型)
- 渚のバルコニーネタ
これらを踏まえて二人を比較していきましょう。
3.1活躍した時代、年齢は?
純子の誕生日が1964年9月2日、聖子の誕生日が1962年3月10日。(これはもう完璧に暗記している(笑))
まあ生まれた年は近いっちゃ近いかなあという感じ。
問題なのは純子がいつ、何歳の時に歌手デビューしたかということですね。
聖子が歌手デビューしたのは1980年で18歳の時、高校を卒業してからの歌手活動でした。
純子に関しては作中で名言されていないので詳しくは分からないのですが……1980年代アイドルブームの火付け役というからには、彼女は80年代以降にデビューしたのでしょう。
聖子と同じく1980年にデビューしたとなると、純子が15、6の頃にデビューしたことになりますがちょっと早くねえか?とも感じます。
第6話では愛がデビュー後1年で数万人を前にしてライブしたことにかなり驚いていたので、少なくとも一年以上は活躍していたのではないでしょうか。
恐らく、1980~82年のどこかのタイミングで歌手デビューしたのでしょう。
3.2聖子ちゃんカットっぽくね???
純子は19歳と約3か月の頃に亡くなっています。純子の髪型はすごく聖子ちゃんカットを彷彿とさせますが、聖子も19歳前半の頃は聖子ちゃんカットをしていたのでそこんところも姿がダブりますね。
3.3性格、立ち居振る舞いは?
純子は常に敬語を使い謙虚で低姿勢ですが、こういうところも聖子にすごく似ていると感じます。
動画サイトなどで昔の歌番組に出演している聖子さんを見ていただければ分かると思いますが、かなり礼儀正しいですからね。もちろん、今に至るまでずっとそうです。
ただ、これは別に聖子さんに限ったことではないので製作陣が意図的に聖子さんに寄せているかどうかはちょっと分かりませんね……。
また、基本的には大人っぽくて控えめな感じの純子もチェキ会には出ないと決めたり、アイドル歌手としてのプライドがあったり、信念を持っていて気が強い女性だということが作中からは受け取れます。
この「気が強い」というのもまた、聖子さんに似ていますね。(´ー`)
3.4アイドルになった動機
純子は作中で、「かつて自分が憧れたアイドルのように、自分も憧れられる存在になりたい(という思いで頑張っていた)」と語っています。
世代的に、70年代のアイドルを見て育ち、彼ら彼女らに憧れたのでしょう。
そしてまた聖子も郷ひろみや百恵ちゃん、淳子ちゃん(桜田の方(笑))らに憧れてアイドルの世界に飛び込んだのです。
確かに動機は二人とも似ていますね。ただ、よくある動機なので製作陣が意図的に似せているかどうかは定かではありません……。
3.5歌、声の特徴
初期の松田聖子*1の魅力の一つが天性の声質、低音を生かした声量のある芯のあるパワーボイスだということは様々な媒体で語られています。
純子もまた、(設定としては)声量があり低音を生かしてパワフルに歌うタイプです。
見た目やイメージとは裏腹に、このような歌唱をするというのは確かに聖子ちゃんっぽいと言っていいかもしれません。
3.6好きな食べ物、嫌いな食べ物
純子の好きな食べ物は「豆類」「和食」で、両方とも聖子さんの好物なのです。
特に聖子さんが大の和食好きだということは聖子ファン界隈の間では有名で、アイドル時代から「アジの開き」を好きな食べ物として挙げていたり、アメリカから帰ってきて「アジの開き」などの和食を食べまくったりしたとか……(゜o゜)*2
純子の嫌いな食べ物はと言うと、「トマト」「レバー」です。これもまた両方とも聖子さんが嫌いな食べ物です。
なぜピンポイントでトマトとレバーなんだと思いましたが、もしかしたら聖子さんの好みを参考にしたのかもしれない……!?
3.7趣味がピアノ
紺野純子の趣味の一つにピアノがあるそうです。
聖子さんも5歳の頃にピアノを買ってもらい、習っていたといいます。
また、アイドル時代からライブでピアノ演奏を披露したり、自分で作曲するようになってからは主に鍵盤を使っている様子が何度か映っています。
ただ、これに関しては聖子さんとほぼ同時期にデビューした河合奈保子さんもピアノを幼少期から習っているため、理由としては弱いですね。
3.8血液型
二人ともA型です。まあ気休め程度にはなるかな……。(笑)(^。^)y-.。o○
3.9作中で渚のバルコニーのネタが登場!
これは二人の共通点というわけではないのですが、作中で松田聖子のヒット曲「渚のバルコニー」のオマージュネタが登場しています。
海辺でジーンズを濡らして泳ぐ(歩く)男が、右手に缶コーラ、左手には白いサンダルを持った女性に「こっちこいよー」と呼んでいます。
「馬鹿ね、水着持ってないわよ」
と女性は返すという内容です。
渚のバルコニーに出てくる子かあれ‼︎
— ュ‡ (@yukisorakake) 2018年11月8日
純子ちゃんのシーンに出すとか粋な演出!!#ゾンビランドサガ pic.twitter.com/WMnMnPXILU
「渚のバルコニー」を知っている人が見たら一発で分かるネタですね。(笑)
しかしわざわざ作中で「渚のバルコニー」のオマージュをするということは、間違いなく製作陣の意識に松田聖子が確かにある、ということですからね!
これを見て紺野純子は松田聖子をモデルにしている説が自分の中で浮上するぐらいにはあからさまなオマージュでした。_(:3」∠)_
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4.紺野純子は初期松田聖子を意識している
ここまでの二人の共通点を統合したり、アニメを見ていると、やはり紺野純子は少なからず初期の松田聖子を意識しているのではないかなと僕は思います。
というかやはり、「1980年代のアイドルブームの火付け役」という時点でそうとしか考えられないんですよね……。
例えば、同時期の河合奈保子は実力はありますが彼女が革命を起こしたかというとそういうわけではないですし、体形(体つき)も紺野純子とはあまり似ていません。
中森明菜ももちろん候補の筆頭に挙げられますが、そもそも彼女はデビュー前から聖子ファンであり、彼女もまた松田聖子に影響を受けたアイドルの一人なのです。*3
そういう意味で「80年代アイドルブームの火付け役紺野純子」のモデルとして成り立つのかどうかはちょっと微妙なところ。
それに明菜さんをモデルにするならもっと分かりやすく明菜ヘアーにするんじゃないか?ということもあったり。
小泉今日子に関しては、まず性格や歌い方があまり似ていませんし、彼女はいわゆる王道的なアイドルじゃないからまあ違うでしょう。
アニメ好きな皆さんに分かりやすく説明するなら、松田聖子が「ハルヒ(作品)」だとしたら小泉今日子はパロディネタ豊富な「らき☆すた」とでも言いましょうか。え、余計分かりづらい???では見なかったことにしてくれ_(:3」∠)_
ただ、まだ作品も完成していませんし、今後、より多くの情報がアニメやメディアミックスで公開されることを願っています。
5.最後に、「ゾンビランドサガ」ファンと聖子好きの方々へ
ここまで読んでくださってありがとうございました。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
普段は聖子さんの楽曲を音楽理論的目線で研究しています!良かったら見てってね(*>∇<)ノ
松田聖子「LOVE SONG」楽曲研究~BPMが遅い曲では歌手の実力が如実に出る - 松田聖子研究室
5.1「聖子ファン」の皆さん
聖子好きだという人で、アニメ「ゾンビランドサガ」をもし見ていない方がいたら是非視聴してほしいです。
特にこのアニメでは「昭和アイドルと平成アイドルの意識の違い」など今までのアイドルものにはあまり見られなかったアイドル観や面白要素が描かれています。
僕はリアルタイムで実際に松田聖子などの昭和のアイドルを見てきた人にこそ、この作品を見ていただきたいです。
もちろん、昭和のアイドル以外のアイドルもたくさん出てくるので、アイドル好きなら絶対に見るべきでしょう!
自分で広告貼っておいてなんですが、 ブルーレイだと高いのでアマゾンプライムビデオで見た方が遥かにお得です(笑)
僕もそれで見ています。ヽ(^o^)丿
5.2「ゾンビランドサガ」ファンの皆さん
もしも……もしもですよ!!!??
この作品「ゾンビランドサガ」をきっかけに少しでも松田聖子さんに興味がわいたという方がいたら、是非聖子ちゃんの曲をいろいろ聴いてみてくださいね(´▽`)
もちろん強制などしませんし、いつか気が向いたときに、「しゃあねえなー、聖子ちゃんでも聴いてみるか」ってな感じで。(笑)どうかお願いしますm(__)m
一応立場上お勧め聖子ちゃんベストやアルバムを貼っておきますが、例によってAmazon prime musicで聴いたほうが遥かにお得です。(笑)(僕はもちろんCD全部持っていますよ!研究員ですからね!)
それにしても、これからの「ゾンビランドサガ」の展開がすんごい気になります……!
では皆さん、次回の記事でお会いしましょう!(@^^)/~~~
松田聖子・ビルボードでのライブ感想まとめ~小さい会場で歌うメリットとは?
はじめに
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は11月4日にファンクラブ会員限定で行われたという「PREMIUM SEIKO JAZZ LIVE 2018」の感想、情報まとめです。
このライブは「Billboard Live TOKYO」という会場で昼の部と夜の部の2回に分けて行われました。
一回ごとに2時間弱ほど行われたそうです。
歌は基本的には前回のアルバムの曲を主に歌ったそうです。
サプライズ曲もあったといいますが……それが何かは僕も知りません。( T∀T)
キャパは一回300人程度であり、金額はなんと最高で8万9500円、最低4万9500円だそうです。
でもレベルの高いバックバンドを従えた聖子さんの歌をすぐ近くで高いワイン飲みながらじっくりと聴けるならば、ファンなら8万出しても惜しくはないでしょうね。
この値段でしかライブをしていないというならばそれは問題でしょうが、彼女はもっと安価な夏コンツアーも毎年やってますからね。
これとは別にジャズコンサートツアーも来年始まるし。_(:3」∠)_
文句言われる筋合いはないでしょう。
僕は今回このライブには参戦していないんですが(そもそも今まじで金がない)、ネット上での反応を見て、もし来年もあるなら行ってみたいなあと思いました。すごく浮きそうだけど。
実際ツイッターや匿名掲示板などの書き込みを見ていても、ライブに行った人で後悔だったり不満の声を挙げている人は一人もいませんでした。
バンドメンバーは去年と一緒とのこと。
バンドメンバーは去年と一緒で、この時の方々。来年もこのメンバーとのこと。
— Koh (@Koh_510) November 4, 2018
ストリングスは4人編成でしたhttps://t.co/A8brLyeQ2X
感想ツイートまとめ~小さい会場で歌うメリットとは
いくつか実際にライブに足をはこんだ方のツイートを紹介してみようと思います。
松田聖子さんの「PREMIUM SEIKO JAZZ LIVE 2018」に行ってきました👸💗
— 高山璃奈 (@RinaTakayama) November 4, 2018
今日は最上級にエレガントな聖子ちゃんでした😍✨✨
大好きが止まりませぬ〜o(^_^)o pic.twitter.com/ZorjSExSWt
アリーナサイズはもちろん、ホールサイズでも表現がむずかしいような繊細なニュアンスが存分にちりばめられていて、とんでもなく素晴らしかった。
— Koh (@Koh_510) November 4, 2018
第2部だったこともあって、最初の曲から緊張せずに心地好さそうに歌っていたのも印象的。オーチャードの時の5倍は感動しましたね
たとえば80年代でも、夜ヒットとトップテンなら、会場の奥の客にも歌を届けようとする分、トップテンでは細かなニュアンスが削がれるように思う。
— Koh (@Koh_510) November 4, 2018
今日は観客が近いので、「弱」の表現を巧みに使っていたように感じた。それが聴き取れる環境であることのほうが要因としては大きいかもしれないけれど
今日のライブでの最大の発見は、松田聖子の歌の微妙なニュアンスを聞き取るには、会場は狭いほど良いということ。
— ニドガタリ (@twicetoldrecord) November 4, 2018
これならジャズの本場の米国のライブハウスでやっても、称賛されるだろうと思った。
あと、松田聖子の即興でのセンスの冴え。
— ニドガタリ (@twicetoldrecord) November 4, 2018
これは、夏コンで鍛えられてる賜物かな😄
以前、リクエストコーナーで覚えてない曲を絶妙にフェイクをいれて歌ってたけど、いま思えばジャズに繋がるものがあったな。
とにかく良かった!昼の部は前半聖子さんも緊張してたらしいですが、夜の部は最初から声のノリも良くてまるで耳元で歌ってるかのように心地よく響く。今CD聴きながら書いてるけどCDの数倍良かったです!大枚叩いて良かった。#聖子ジャズ pic.twitter.com/vCRgqn8XaU
— から芋畑でつかまえて (@tomo5dama) November 4, 2018
感想で多く書かれているのは、
「会場が小さいのでとても繊細で「弱」の表現がしっかりと使われていた」
ってところですね。
このびみょ~~~~~~なニュアンスで歌の「感情」を繊細に表現するのって、昔からの松田聖子の特徴であり、武器なんですよね。
こちらの記事でもそれについていろいろと語っていますよ!(*‘∀‘)
seiko-laboratory.hatenablog.com
seiko-laboratory.hatenablog.com
まとめ
これらのツイートは僕が意図的に良反応な呟きだけ集めてるんではなくて、本当に行った人で批判している声は見当たらないんですよね。
非常に満足度の高いライブだったことがうかがえます。
Seiko Matsuda “SEIKO JAZZ 2” Concert Tour 2019
来年のジャズコンサートツアーのPorta-netでの先行予約が既に始まっています!!!!!
先行予約期間は2018/11/8(木)10:00~11/18(日)24:00までとのことです!!!!!
いちど、行っておいて損はないです。
聖子さんのライブに行ったことがない人も是非!僕も前回のジャズコンのときはそうでしたから!
僕が「SEIKO JAZZ」のライブに行ったときの体験談はこちらで見られます!(*´▽`*)
seiko-laboratory.hatenablog.com
ヽ(^o^)丿さあみんな、予約を急げ!!!!!
……といっても、早いもの順じゃなくて抽選なので、11月18日までだったらいつでも大丈夫ですよ!(-。-)y-゜゜゜
それでは皆さん、次回の記事で会いましょう!(@^^)/~~~
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