松田聖子「Rock’n Rouge」楽曲研究第1回~「拍」を意識する
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今日は今回の楽曲研究に移る前に読者の皆様に大事なお願いがあります!
それはコメント欄に関してのお願いなのですが、当サイトはAmazonアソシエイトに承認されているため、
明らかに著作権違反と思われる動画のURL、松田聖子さん含む特定の個人に対しての誹謗中傷が含まれるコメントはコメント欄に載せることができません。
コメント欄自体は僕もなくしたくないので、恐れ入りますが上記のことを守ってコメントするようにお願いします。
基本的にコメントは大歓迎なので、皆様遠慮なくどしどしコメントしてください!(*‘∀‘)
それでは気を取り直して本題に入りましょう!
今回研究するのはズバリ「Rock’n Rouge」でしょう!
はい!きましたね!僕のお気に入り曲の一つです!
僕は基本的には面白いことをしている曲、もしくは面白いことをしようとしている曲は好きになるんですけど、この曲も例外ではないですね!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
そして、この曲本当にいろいろな「技」が使われていて、正に今までの記事の知識の、一つの集大成って感じがします。
ところが今回の前編ではコード進行の話は一旦置いておいて、リズムやノリの話を中心にしようと思います。
それではいきましょう!「Rock’n Rouge」楽曲研究!
作詞は松本隆さん、作曲は松任谷由美さん、編曲は松任谷正隆さんです。
1.音楽の三要素(メロディー、ハーモニー、リズム)
音楽というのはメロディー、ハーモニー、リズムの三つの要素で成り立っています。
今回注目したいのは主にリズムについてです。
リズムは本当に大事で、洋楽なんかではむしろメロディーよりリズムを重視するほどです。
で、この曲はコード進行ももちろんすごいんですけど、肝はリズムにあると思うんですよね。
特にAメロ!(´・ω・`)
何回も同じフレーズを繰り返すとき、いかにして「繰り返しの気持ちよさ」を感じさせるかが大事になります。
このとき、リズムや歌い方(どこにアクセントをおくか)を工夫することは超有効なんです。
まず、最初に「拍」について軽く説明したいと思いますので、「そんなのいいから楽曲についての見解はよ」という方は目次から「3.迫を意識した歌い方」まで飛ばすことをおすすめします。(゜o゜)
2.「拍」について
2.1「拍」とは
リズム感があるないの違いは「拍」を意識しているかしていないかで大きく変わります。
「拍」は「ビート」とも呼ばれ、リズムの基盤となり曲の時間軸を支配しています。
「拍」とは一定の間隔で打ち続けられるもの*1で、それらを何個かずつでまとめると「拍子」になります。3個ずつまとめて3拍子、4個ずつまとめて4拍子。よく聞くやつですね。ちなみにこの曲は4拍子です。
また、「拍」には強拍と弱拍があります。
たとえば4拍子のとき、「1,2,3,4,1,2,3,4」と数えますが、このとき「1」にあたる拍は強拍と呼ばれ、それ以外の拍は弱拍と呼ばれます。(3拍目も強拍と呼ばれる場合もあります。)
これは強拍を強く、弱拍を弱く演奏しなければならないというわけではありません。
実際、ロックやポップスの大半が4拍子の弱拍にあたる2拍目、4拍目にアクセントを置いています。
2.2オモテとウラ
今かるーく説明した「拍」にあたる部分をオモテ、「拍」と「拍」の間をウラと呼んだりします。
分かりやすく言うと、「1と2と3と4と」とリズムをとる時の「と」の部分がウラですね。え?分かりづらい?でもこうとしか言いようがないんです……。
このブログにたどり着く人ならば「それぐらい知ってるよ!」と思っているかも知れませんが一応簡単に説明しました。_(:3」∠)_
要点を簡単にまとめた画像を作成したので貼っておきます。
3.「拍」を意識した聖子の歌い方
さて、ここからが本番です。
この曲「Rock’n Rouge」は4拍子の8ビート*2です。
ここで、実際の歌詞を見ながら聖子ちゃんの歌いかたを聴いてみましょう。
3.1「拍」にアクセントをつける
グッと渋い Sports Carで
待たせたねと カッコつける
ここで注目するのは、どの部分にアクセントをつけているか。
アクセントをつけているところを太字にしてみると、
「グーッとしぶーいSPORTS CARで」
「まーたせたねーってかーっこつける」
となります。
最も強く発音するところは赤字にしてみました。
この赤字のタイミングなのですが、実際に歌に合わせて聴いてみると「3拍目」の位置にあることが分かります。
この曲のAメロでは常に「3拍目」に1番のアクセントを持ってくることで、
- 曲に統一感を持たせる
- ノリが良くなる
- 勢いが生まれる
ちゃんとドラムも3拍目でバスドラ叩いてたりして、作曲者と編曲者も意識して3拍目を強調しているのが分かります。
また、基本的に「拍」にあたる部分(オモテ)でアクセントをつけています。
これが「拍」を意識した歌い方ということで、ウラは意図的にちょっと抜いて軽く歌っています。
プロの歌手の方は間違いなく「拍」は意識していると思うので、今までカラオケで歌う時に意識していなかったという人がいたら、自分の歌い方を見直してみるといいかもしれません。
最近の曲だと例えば米津玄師の「春雷」という曲、これもすごい歌い方上手いなって思います。
サビ以外の部分は基本的に、メロディーラインで聴かせるというよりリズムやノリで聴かせるといった感じです。
もちろん「拍」を意識して歌っていて、ノリもいいし曲全体に推進力が生まれています。
※ ちなみに、この動画は公式アカウントが投稿している動画なので著作権違反にはあたりません。
3.2「シンコペーション」について
シンコペーションとはまあ簡単に言うと「拍」をずらすことです。
今回の場合は本来ならば強調されないであろう「4拍目のウラ」に「拍」をずらしてアクセントをつけています。
このようなシンコペーションを「食う」と言ったりもします。
こうすることで意外性や躍動感が生まれるのです。
4.常に「シンコペーション」することによってもたらされる効果
これは面白いなあと思ったのですが、
常に4拍目のウラからフレーズが始まることで、
拍点にズレが生じ、まるでウラにアクセントを置いている(実際はオモテ)かのようになる
のです。
つまりどういうことかというのを簡単に画像にまとめたので、ご覧ください。
※「カッコつける」の「け」に大きく赤丸がついていますが間違いです。気にしないでください。
この画像を見ていただければ分かると思うのですが、常時4拍目のウラから始まっているので「ト1ト2ト3ト4」とも聴こえます。
なので本来ならば拍(オモテ)のはずの「1,2,3,4」がウラに聴こえる
と言われてみればそんな解釈もできると思いませんか?
このとき、聖子ちゃんがアクセントを置いているのは「拍」(オモテ)の場所なのに、まるで「ウラ」にアクセントを置いているかのような独特の効果が生まれているのです。
こうすることでクセになるノリが生まれるんですね~_(:3」∠)_
ノリといってもノリッペのことじゃないよ(*‘ω‘ *)
僕も勉強になります!
ちなみに、同じく聖子ちゃんの曲だったらアルバム「Silhouette」の「Je t’aime」でもこれと同じような効果が使われていると思います。
5.聖子の歌が絶妙
レコードでの歌唱やテレビ放送での歌唱、ライブでの歌唱などでこの曲は何度も歌われていますが、本当に聖子ちゃんの歌い方が絶妙なんですよね!
強弱の調節もしっかりしているし、リズムもカチッとハマってる。
しかも大抵の場合笑顔で歌ってるんですよね……これ実は相当難しいと思うんですけど、そうは感じさせないところが聖子ちゃんのすごいところですね。
6.まとめ
今回は「Rock’n Rouge」のAメロのリズムについてという超限定的な話でした(笑)。
次はもっとコード進行についての話等も絡めていきたいと思います。
それでは皆さん、次回の記事で会いましょう!(@^^)/~~~
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松田聖子「LOVE SONG」楽曲研究~BPMが遅い曲では歌手の実力が如実に出る
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は僕が大大大大大好きな曲「LOVE SONG」について研究したいと思います!
もうですね、僕が本格的な聖子大ファンになったのはこの曲のおかげと言っても過言ではないぐらい思い入れがある曲なんです!
最初聴いたときのインパクトが凄かった。忘れもしませんよ、よう〇べで1982年のライブのこの曲の歌唱を聴いたときのことは。
それまで、あまり「歌」というのを重視してこなかった僕にとって、「歌」で涙するほど感動させられるというのは革命だったんですよ。いやほんとに。
唯一、QUEENのフレディ・マーキュリーの歌唱だけは泣くほど感動したことがありまして、こんな体験、聖子が2回目です。
また、こんな感動を味わえるのかと、本当に嬉しくなりました。と、同時に聖子さんを応援しようと心に決めましたね、あの時。
追記:同じく聖子さんとQUEENのフレディをシンガーとして尊敬しているというぬかるんさんのツイートがとても共感できたので、ここに貼っておきます。( ^^) _旦~~
こんにちは♪
— ぬかるん (@nukarun666) October 27, 2018
ワタクシも『尊敬するシンガーは?』と聞かれたら、聖子さんとフレディマーキュリーを真っ先に挙げます😊
遅い曲がなんで難しいかって、つまり『間が持たない』んですよね、声に本当の魅力がないと。あと、実はリズム感も重要。聖子さんは完璧に両立してますね♪♪♪
さあ、それでは楽曲研究していきます!
作詞は松本隆さん、作曲は財津和夫さん、編曲は瀬尾一三さんです。
1.イントロ
キーはAです。
|E7|E7 |AM7|AM7|E7|E7|AM7 |G|
最初、3拍子で曲は進んでいきます。最後のAM7から4拍子に変わっています。
それによって、Aメロに向けて少しタメを作った感じになるんですね。
曲の途中で拍子を変えるというのはわりとあることで、4拍子の途中で5拍子をまぜてみたりだとか、7拍子にしたりだとか。
まあ今回は普通の3拍子から4拍子になっただけなのでそんなに変な感じはしないですよね。
コード進行はというとトニックのAM7とドミナントのE7という二つのコードを繰り返していますね。
この2種類のコードを繰り返すというのはポップスやロックでよく使われています。
こちらの記事でもこの件について話しています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
そして ♭VIIのGを挟んでAメロ開始のAM7に続きます。この♭Ⅶで一時的に同主短調(キー=Aナチュラルマイナースケール)に転調しています。
Aメロに行く前に少し引っかかる部分を作っているんですね。
2.Aメロ
キーはAです。
|AM7|F♯m |Bm7|E7|AM7|F♯m |Bm7|E7|Bメロに続く
ここでも皆さんご存知のツーファイブワンが登場しましたね。|Bm7|E7|AM7|がそうです。
ツーファイブワンについてはこちらで詳しく語っています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
ここ(Aメロ)で注目すべきなのは非ダイアトニックコードが一つも使われていないということ。
多分意図的にオーソドックスなコード進行にして、正統派で普遍的でスケールの大きい曲にしたかったのでしょう。
あと、アレンジのシンプルさが際立ちます。
これも、聖子の歌を一番の主役にするためだと思います。
それだけ聖子の歌を信頼し、聖子の歌を届けたかったんですね。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
3.Bメロ
キーはAです。
|C♯m7|Bm7 Cm7 |C♯m7|Bm7 E7onB DonE E7|サビに続く
「あーしーたー」までのコード進行です。
Aメロで一度|Bm7|E7|AM7|の流れがあったので、Aメロ最後の|Bm7|E7|のあともAM7が来ると聴き手は無意識に予想してしまうのですが、ここではトニックの代理(IIIm)である|C♯m7|が登場して「裏切り」が起こり、雰囲気変わるわけですね。
この「裏切り」についてはこちらの記事でも登場しています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
途中のCm7については経過的に使われているだけなので、特に深い意味はないでしょう。
4.サビ
キーはAです。
|A F♯m7|C♯m |D DonC♯ Bm7|C♯m7 Bm7 E7|A F♯m|C♯m |D DonC♯ Bm7|E7 Bm7onE E7|A |DmonA | A |DmonA|Aメロに続く
「の~~」から始まります。
最初の|A F♯m|C♯m |ではトニック系を使い盛り上がりを抑えてからのサブドミナントで緩急をつけています。
4.1「ペダルポイント」
また、ここでは「ペダルポイント」を効果的に使っています。
「ペダルポイント」というのは、
コードは変化しているのにも関わらず、ある一つの音を鳴らし続けることです。
もちろん、その音はアボイドノート*1であってはいけません。
例えば今回の|A F♯m7|C♯m |の部分では、「E」の音(ストリングス)がずっと鳴っています。この「E」はこれらの三つのコードの構成音なので何ら違和感はないわけですね。
そして、この「E」はキーAのドミナントの音であるので、
この場合は「ドミナント・ペダル」と呼ばれます。
いやまあ、名前なんてどうでもいいんですが(笑)。
そして最後の|A |DmonA | A |DmonA|でも「ペダルポイント」は使われていますね。そう、ベースのAですね。
このようにベースを一定の音にするというのもよく使われますね。
そして、この「A」はキーAのルートの音なので、
この場合「トニック・ペダル」と呼ばれます。
いやまあ、名前なんかどうでmry)
「Rock'n Rouge」のAメロなんかはまさにこのペダルポイントを効果的に使っていますよね。
また、曲の最後のアウトロの部分でも(コード進行はイントロと同じ)「ドミナント・ペダル」が使われています。
4.2歌うますぎ
「あ~し~た~の~」で盛り上げる感じとか本当すごい。声量あるし初期のパワーボイスの片鱗もあるし、「の~」のビブラートの振幅の速さも絶妙だし。
で、レコードのもすごいんだけどライブの歌唱はもっと声出てて圧倒される。
この恵まれた声質で声量あってテクニックも身につけている。
そりゃ天下とるわな……(; ・`д・´)
4.3「BPM」について
この曲「BPM」いわゆるテンポがおそくて、だいたい71.5ぐらいでしょうか。
こういうテンポが遅くていい曲を作るのって
歌手の魅力と楽曲の良し悪しが如実に出ちゃうんですんごい難しいんですよね。
僕もこういういつか曲作りたいと思ってますけど、これはかなり難しい。
テンポが速い方が勢いでごり押しできる場合も多いですからね。
4.4「サブドミナントマイナー」
最後に出てくるDmはサブドミナントマイナーと呼ばれます。
サブドミナントマイナーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
5.まとめ
皆さんはこの曲好きですか?
僕は「Only my love」に並ぶぐらい好きです。
曲は至ってシンプルですけど聖子の歌唱は本当に最高レベルで素晴らしいですよ。
実際楽曲研究するにあたって何回も曲をリピートするんですが、
全く飽きない!!!
この「歌」を残してくれただけで聖子さんには感謝してもしきれません……。(´ー`)
もしもまだ聴いたことがないという人は是非聴いてみてください!
ってか聴いて!!!( ;∀;)
あなたの人生を変えるかも……しれませんよ(*´▽`*)
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聖子ちゃんの睡眠時間はたったの1時間!?当時の芸能界のブラック体質がえぐすぎる件
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は音楽的なことではなくて、80年代前半の聖子含むアイドル所属事務所のブラック体質についての思い研究です。
※かなり自分の考えをぶちまけてますのでそういうのが嫌な方はブラウザバック推奨です。
なぜこの記事を書こうと思ったかというのは、とあるツイートに載っていた聖子さんの独白文章に軽くショックを受けたからです。
1.「80年代の回想」
そのツイートがこちらになります。
『80年代の回想』
— 聖子のプリズム☆赤橙黄緑青藍紫 (@Seiko_Prism) 2018年3月7日
過密スケジュール、女性ファン、結婚観など
女性ファンのところ…そうだったかも
文字が読める環境の方は御一読を#松田聖子 pic.twitter.com/kuuzq0yJQO
この記事で聖子さん(多分90年頃?詳しくは分からない)が80年代当時の忙しさを振り返っています。
一部、記事(「80年代の回想」)から引用してみようと思います。
毎日、テレビ局を掛け持ちして、その合間に取材が7、8本。コンサートや映画があるとレッスンやリハーサル。今思うと、よくあれだけの仕事ができたって思いますよ。
当時の聖子さんはテレビで見ない日はないと言われるぐらいテレビに出ずっぱりだったらしいですから、それだけでも相当時間を拘束されたことが容易に想像できます。
歌番組だけならまだしも、人気アイドル故に多くのバラエティ番組にも出演していたと思うので、これはまあしんどかっただろうなあ……と。
それと、雑誌などの写真撮影とかもかなりやられていますよね。
僕いつも聖子ちゃんのかわいい様々な写真を見るたびに「一体どこにこんな大量に写真を撮る時間があったんだ……」ってつい考えちゃうんですよね(笑)。
これもトップアイドル故の仕事ですよね。
さらに、本業の歌手の仕事でも、シングルが約3か月ごとにリリース、アルバムは半年ごとにリリースということで、他の仕事が入っていない時は暇さえあればレコーディング作業をしていたのではないでしょうか。
そのうえ、ライブのためにプロ指導のもと練習もしなければなりません。
そして、映画やドラマにも出演……。
だめだ、書いてるこっちがぶっ倒れそうになってきた。_(:3」∠)_
そして、睡眠時間について聖子さんはこう語っています。
睡眠時間も1時間がいいところ。何度も倒れましたよ。「このままだと死んじゃうかもしれない」っていつも思ってました(笑)。お休みは1年に何度かあったんですけど、どこかに出かけたいなんて思いもしないの。ひたすら眠るだけ。そうそう、24時間以上眠ったこともありましたね。
い、い、い、いちじか~~ん!!???!??!?!?
さすがにこれは過労死してもおかしくないですよ……。
そりゃあそれだけ仕事がある証拠ですし光栄なことでもあるのは分かりますよ。
忙しかったのは分かりますが、事務所がもっと仕事をセーブできなかったのでしょうか。甚だ疑問です。
睡眠時間についてはこんなデータもあります。
【声と睡眠】というサイトから引用します。
声帯自体は筋肉ではなく、周辺の筋肉の動きに支えられてて声が出るように
なっています。
睡眠不足になると、筋肉の疲労が回復しないため、
当然声帯周りの筋肉の疲労も回復しにくくなります。
すると、声帯を動かす能力も半減してしまい、声が出にくい(本調子が出ない)状態になります。
ということです。
では本来睡眠時間をどれぐらいとるべきなのでしょうか。
最低5時間、通常で6時間~8時間(個人差による)をしっかりとることで
身体全体の疲労回復ができ、声帯周りの筋肉も回復する
聞きました?
_人人人人人_
>最低5時間<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
当時の聖子さんは5時間「も」眠れなかったでしょう。
声を生業としている人たちからすると
睡眠時間、運動、食事、空気環境、(排気ガス・タバコ等)はとても大切です。
身体が楽器である以上、アスリートと同じくらい気をつける必要があります
まさしく聖子さんは歌手であり、しかもまだ二十歳前後の女の子なわけですから本来睡眠は他の仕事をセーブしてでも最低限とるべきだと思うんですが、皆さんはどうお考えですか?
普通ならもう耐えられなくてメンタル追い込まれて壊れてしまいますよ。
ところがそこで壊れないのが聖子さんの強さというか執念ですね。
だからって逃げたいとは思わなかったんです。
はんぱない根性ですよ。
でもよく泣いてましたね。夜中に帰る車の中で、外を見るとやたらボロボロ涙が出て。
そこまでもうメンタル追い込まれていたんでしょうね……。考えるだけで胸が痛くなります。
それでも仕事を続けてこられたのは、まだまだ勉強の時期だったということと、やっぱり仕事が好きだったからだと思うんです。
やはり「歌が大好き。歌を歌いたい」という強い信念は聖子さんの中であったんだと思います。
2.その他の人気アイドルの睡眠時間
ここで、他の人気アイドルの証言を見てみましょう。
まずは最近でもダンシングヒーローで一躍ブームになった荻野目洋子さん。
音楽活動以外にもドラマやバラエティーの出演などがあり、睡眠時間は3時間くらい。その上、出席日数をクリアするために高校にも行かなくちゃいけない。レコーディングなのに、まだ曲を覚えきれていないとか、疲れて声が出ないということもありました。そういう状況で、バタンとスタジオの分厚いドアを閉められて窓のない部屋に一人でいると、孤独で息が詰まるような感覚になって、バーッとスタジオから逃走したこともありました。すぐに、マネジャーに連れ戻されてしまいましたが(笑)。
睡眠時間は3時間ぐらいということでやはり事務所に相当酷使されていたことが分かります。
続いては、ピンクレディーのミーちゃんの証言。
「UFO」のときは、本番2時間前に覚えたんですよ。とにかく忙しかったですね。「仮眠を45分」という世界でした。睡眠不足からだと思うのですが、毎日微熱があるような感じで、真夏でも寒くて体が痛かったことを覚えてます。
未唯mie「ピンク・レディー時代は仮眠45分、毎日微熱」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
か、仮眠を45分……!!?
こんなんもう奴隷ですよ。事務所の奴隷。
3.こんなブラックな話が許されていいのだろうか。
僕はもちろん、聖子さん本人は好きだし尊敬もしてるんですけども、当時の「アイドルの人権を無視し二十歳前後の女の子に睡眠もろくにとられないほど働かせる」事務所の体質ってのはとてもじゃないけど好きになれないです。
人を人とも思っていない、所詮金を稼ぐ道具としか見ていない。事務所のお偉いさんなんてそんなもんでしょう。
当時の芸能界は今よりもっとブラックな世界で、こんなのは日常茶飯事だったのでしょうが、これはやっぱり許されるべきじゃない。
最近、とあるアイドルグループの娘が自殺したという事件がありましたよね。
あれは事務所が一人の人間を追い込んで潰した「殺人事件」です。
もし、何かボタンを一つかけ違えていたら、聖子さんも彼女のようになっていたのかもしれないのですよ……?
「そんなことはない」とどうして誰が自信を持って言えるでしょうか?
実際、聖子さんは酷使されすぎて初期の声を潰してしまっていますよね。
これもねえ……もう少し事務所は配慮できなかったのかなあと僕は思っちゃいます。
睡眠も休息もろくにとれないで毎日歌番組やらコンサートやらで全力で歌っていたらそりゃねえ……。
かなりつらかったと思いますよ、今までのように声が出なくなって。
睡眠時間少ないと思考能力もどんどん減ってネガティブになっていきますし。
後の90年代のインタビューで聖子さんは今はしっかり寝られるから本当に幸せとおっしゃっていました。
そりゃあそうだよ!!!(*T^T)
解放感半端なかっただろうなあ……。(´;ω;`)
しっかり寝られる上に、与えられた仕事を操り人形のようにこなすのではなく自分自身でプロデュースして仕事していくわけですから、アイドル時代より充実しているに違いないです。
頑張ったよ聖子ちゃん……!。゚(゚´Д`゚)゚。
4.なぜ聖子さんは仕事をこなせたのか?
これはやっぱり、ひとえに聖子さんの周りの方々のサポートのおかげだと思います。
小田裕一郎さんや大村雅朗さんに松本隆さん等の音楽面で聖子を信頼し、助けてくださった方々。
スタイリストやライブでのスタッフの方々もきっと聖子さんを全力で励まし、共に戦っていたのだと思います。
もちろん、聖子さんが仕事好きだというのもあるでしょうが、それだけでこの地獄を乗り切れるわけありません。
周りの方々が必死に助けてくださったおかげではないでしょうか。
そして、それは聖子さん自身が身に染みて感じていると思います。
5.まとめ
まず、この過酷な環境のなか必死に仕事をこなし素晴らしい作品を残してくれた聖子さんに感謝します。
本当にありがとう、聖子さん。
そして、聖子さんを支え助けてくださった周りの方々に感謝。
最後に、このような前時代的なブラック体質で10代の娘を奴隷のように酷使するようなブラックアイドル事務所がなくなることを望みます。
松田聖子アルバム「We Are Love」研究第3回~「本気にS・O・R・R・Y」楽曲研究
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
もうすぐ、80年代の松田聖子のLIVE映像のBlu-ray3作品が発売されますが、皆さんは購入の予定はありますか?
え、僕?僕ですか?
そりゃあ3つとも買うに決まってるでしょ!!!( ゚Д゚)
もちろん買ったあかつきにはきちんと研究材料にして記事を書きますよ!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
さあ、それでは本題に入りましょうか!
今回は1990年発売のアルバム「We Are Love」収録曲「本気にS・O・R・R・Y」(以下めんどくさいので「本気にsorry」で統一)の研究をします!
「We Are Love」研究第1回と第2回はこちらです!
第1回
seiko-laboratory.hatenablog.com
第2回
seiko-laboratory.hatenablog.com
僕はこの曲「本気にsorry」は地味に好きでよく聴いています。
シンセのリフを豪快に決めてくるところとか笹路正徳節全開で聴いててテンション上がります(笑)
聖子の歌唱もすごく生き生きとしているというか、楽しそうに歌撮りをしている聖子さんが目に浮かぶようです。(*'▽')
ではこの曲をコード進行とともにみていきましょう!
作詞 Seiko Matsuda 作曲 原田真二 編曲 笹路正徳
1.イントロ
キーは最初はB♭。
| B♭onE♭ FonD |B♭ Edim| E♭|F|F♯|F♯|この先キー=B
|B| F♯|G♯m|E| B|F♯|G♯m|E|E|E|E|
Aメロに続く
オーケストラの如く派手に始まった後、F#がドミナントとなって転調してキー=Bになりシンセのリフとともに軽快にイントロが流れます。
初っぱなからこの時代特有の シンセをフルに使ったキラキラサウンドで、恐らく苦手な人はとことん苦手な作風かと思いますが(笑)。
特に今の若い世代が前知識なしにこのサウンドを聴くとちょっと抵抗があるかもしれません。
一応僕はこの時代の他の音楽も昔から聴いてたのでもう慣れましたが……(笑)。
ちなみにここでのコード進行は「I→V→VIm→IV」と超オーソドックス。
2.Aメロ~あえてシンプルに
キー=Bです。
| B|C♯m7onB| B|C♯m7onB|B|C♯m7onB| B|C♯m7onB| Bメロに続く。
イントロの勢いを保ったままAメロに突入。
ベースは常にBで一定。
コード進行はひたすらトニックの I とサブドミナント代理の IIm7 を繰り返します。
メロディもほぼ同様の型を繰り返しています。
この二種類のコードを繰り返すだけというのはポップスやロックや
で実によく使われています。
基本的にAメロやBメロのようなシンプルな展開にしたい場所で使われると思います。
意図的にAメロでは盛り上げを抑えているわけですね!
3.Bメロ~Aメロとの差別化
|G♯m|G♯m |D♯m|D♯m|C♯m|C♯m |F♯|F♯|D♯m|D♯mM7|D♯m7onG♯|D♯m6onG♯|C♯m|D♯m |E|F♯|A|A | サビに続く。
Aメロでトニックとサブドミナント代理を4回繰り返して聴き手は「次もまたトニックの I が来るだろう」と予想するわけですが、
Bメロに入り VIm (トニックの代理コード)が来て裏切られるわけです。
このような「裏切り」を挟むことで楽曲がよりドラマチックに出来上がります。
また、あえてマイナーコードを多用してちょっと暗い感じを出すことも「Aメロとの差別化」に繋がっています。
ベースもツーファイブの動きを入れたり、Aメロとは雰囲気を変えてきます。
それから、|D♯m|D♯mM7|D♯m7onG♯|D♯m6onG♯|ではお馴染みのラインクリシェも使われていますね!\(◎o◎)/
ちなみにラインクリシェについてはこちらの記事でも触れています。
seiko-laboratory.hatenablog.com
そして、♭VIIを挟んでサビに突入します。
4.サビ~イントロと同期させる
|B|F♯|G♯m|E|B |F♯|G♯m|E|E|D♯m|G♯m|D♯m|G♯m|C♯m|B(9)|A|A|EonF♯|F♯
お気づきの方もいると思いますが、|B|F♯|G♯m|E|のコード進行はイントロのものと同じなんですね。
ですのでイントロで使われていたシンセのリフも再び同じように使われています。
イントロとサビのコード進行を同じにすることによって、より聴き手にサビのキャッチーさを印象付けているんですね!( ・∇・)
また、「I→V→VIm→IV」は超オーソドックスと言いましたが、定番ということはそれだけ優れた進行なわけでありまして。
癖になるようなメロディ、コード進行こそないものの、王道かつポップで聴きやすいサビになっていると感じます。(o゚□゚)o
5.歌詞について
この曲の歌詞はこちらから見られます。
思ったより悪くないと思いますけどね、これ。
ちゃんと情景描写もしてるし、主人公のキャラも立ってるし物語(というほどのものでもないけど)も綺麗に閉じているし、いいんじゃないんでしょうか。
基本的に僕は歌詞はそんなに気にしていない(語感や韻などの音楽的要素は別)ので、設けているハードルがかなり低いというのもあるとは思うんですけど(笑)。
素直で「くどさ」を感じないので僕は普通に好きですよ。逆に歌詞に深みを求めている人には不評なのも分かります。
ただ、やっぱり「語感」とか「韻」とか全く気にしてなさそうなのが惜しい。(@_@)
歌詞の内容は別にこんなもんでいいと思うんですけど、語感とかそういうのって音楽的な質にダイレクトに繋がりますもんね。(-。-)y-゜゜゜
6.まとめ
曲全体の印象としては、テンポ早めで派手なキラキラサウンドポップスって感じです。
この曲をライブで歌っている聖子の映像をみたことないけれど、歌ったことあるのかな(笑)。
まあ可もなく不可もないアルバム曲って感じだし聖子ちゃんもうこれ覚えてないんだろうなあ……w
作曲もそんなに気合い入れてしたってわけじゃなさそうだし、若干編曲にやっつけ仕事感も見受けられるからね。
でもね、僕はこの曲嫌いじゃないんですよ!うーん、というより嫌いになれないといった方が正しいかも?
なんでかってのは上手く説明できないですけど……絶妙にダサいところ(貶してるわけじゃないです)が個人的に憎めないのかもしれません。( ´・_ゝ・)
しかし、間奏のソロはなぜギターにしなかったのか……。(´_`。)゙
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1文字で世界を表現する女「松田聖子」~「真冬の恋人たち」楽曲研究・後編~
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は、前回の記事の続きで「真冬の恋人たち」について研究していきます!
前回の記事はこちら↓
seiko-laboratory.hatenablog.com
では早速コード進行とともにみていきましょう!
あ、そうそう。今回、コード進行で「スケール外の音を使っているコード」や「一時的に転調しているコード」等は色を変えてみました。
より見やすくしたいといろいろ模索しています。いかがでしょうか?
1.イントロ
キーはGです。
| Gadd9|Fadd9 |E♭add9 |Dsus4 |
1.1「add9」
お分かりの通り初っ端からアドナインス(add9)を使っていますね。
add9とはその名の通りルートから見て9度上の音を加えたものです。
Gadd9で言うと、Gから見て9度上ですのでAですね。ですからGadd9の構成音は「G,A,B,D」となります。(ちなみに、7thや6thを含むコード(〇7や〇6)に9thなどのテンションノートを加える場合は「〇7(9)」というようにカッコでくくって表記します。)
このadd9はとても透き通ったような響きをしていて、普通のメジャーコード、マイナーコードだと俗っぽ過ぎるというときに上手く使うと効果的だと思います。
このイントロを聴いていても、なんだかふわっとしているというか掴みどころがないような感じがしますよね。
1.2「モーダル・インターチェンジ」
そしてコード進行の話ですが、単純に相対表記にすると、
| I|♭VII |♭VI |V |
このようになります。
いきなり非ダイアトニックコードが登場してますがこれ自体は結構よくある定番のコード進行だと思います。
考え方としては、♭VIIと♭VIを同主短調、つまり同じルート「G」をトニックとしたナチュラルマイナースケールから借りてきたものだと考えるのがベストでしょう。
♭VIIはマイナーダイアトニックの7番目のコード、♭VIはマイナーダイアトニックの6番目のコードです。
これは、|♭VII |♭VI |の間だけ一時的に同主短調に転調しているのと同義です。
この考え方を「モーダル・インターチェンジ」とも言います。
なんかハリーポッターに出てくる魔法の呪文みたいで響きがかっこいいですよね「モーダル・インターチェンジ」(。-`ω-)
ここではあまり深く考えなくていいですよ。
要は「一時的に違うスケールを使用する」
という認識で大丈夫です!
ところで、「モーダル・インターチェンジ」し終わった後は基本的にトニックに戻る習性があるのですが、上の進行ではDsus4に進行しています。
( ゚Д゚)「トニックじゃねえじゃん!!!」
と思わずツッコミを入れてしまったと思います。一応僕の解釈を書いておきます。
そもそも、sus4ってのはadd9に響きが似ているんです。
Gadd9の構成音が「G,A,B,D」、 Dsus4の構成音が「D,G,A」。
(´・ω・`)「……おわかりいただけただろうか。」
そうです!「B」以外構成音一緒じゃん!
add9とsus4の響きが似ていると言ったのはこういうことです。
Dsus4はトニックのGと響きがかなり似てるのでこの信仰でも別に違和感は覚えないんですよね。
追記
♭VIはVをトニックしたときのセカンダリードミナントII7の裏コードとも言えます。
要は代理コードです。
ここで裏コードの説明すると長くなるので書きません。
この考え方でいけばこのときキー=Dとなっているわけです。
なのでこのときキー=Gmなのかキー=Dなのかどっちつかずな状態なんですよね。
どこかふわっとして掴みどころがないのはこれが理由でもあるのかもしれません……。
2.Aメロ
同じくキー=Gです。「ふゆのみず」から。
| Dsus4|Am7(9) |(9,13) |Gadd9 |G7(9)|C6(9) |C♯m7(♭5) F♯7 |Badd9 | Dsus4|Am7(9) |D7(9,13) |Gadd9 |G7(9)|C6(9) |C♯m7(♭5) F♯7 |B7|
2.1「ツーファイブ」
|Am7(9) |D7(9,13) |Gadd9 |
と
|C♯m7(♭5) F♯7 |Badd9 |
の動きはツーファイブの動きをしていますね!皆さんもだんだんぱっと見て気づけるようになってきたと思います。
しかし、上のは|IIm7|V7 |I|とオーソドックスなツーファイブワンなのでいいんですが、
下のは|IV♯m7(♭5) VII7 |III |となり、非ダイアトニックコードが出てきていますね。
これについて少し説明していこうと思います。
2.2「IV♯m7」
このコードはジャズでは頻出のコードです。こういうコードを多用しているところをみると、やはり意図的にジャズっぽくしようとしているのでしょうか。
この場合では、「IIIm」に進行するツーファイブにおけるリレイテッドIIm7(♭5)として使われています。
ものすごく簡単に言うと、一時的にキー=Bmに転調してツーファイブワンの動きをしているということです。
「ツー・ファイブ・ワン」の詳しい説明はこちらの記事でしていますのでよく分からないという方は是非。
seiko-laboratory.hatenablog.com
2.3「III」
ところで、ここでちょっとびっくりするのが最後の「Ⅲ」ですよね。
最初コードとりながら
_(:3」∠)_「え、なにこいつ!!!」
て思いましたよ(笑)。
もちろんこの「III」も非ダイアトニックコードですよね。
普通はIIImに行くところをIIIに進行したわけですね。
で、いろいろああでもないこうでもないと考えた結果、単純にキー=Bmからキー=Bに転調したと考えるのがベストだと思いました。
ピアノが弾いているスケールから考えても、こう考えるのがベストでしょう。
そしてこの後Dsus4へと進み再びキー=Gに戻っています。
ちなみにこの部分、歌詞で言うと
ポーズ決めるあなた
のところに該当していて、
「ズ決めるあな」のところでマイナー調になり切なさを演出、
「た」の一文字でメジャーになりぱっっっと明るい印象に変わる。
2番だと
あたたまりにきたの
で、こちらもやはり「の」の一文字で何とも言えない多幸感を見事に演出している。
今理論的に説明した通りの音楽の力もあるとはいえ、
これすげえなあ。。。
「一文字で繊細な感情表現をする女「松田聖子」」
恐るべしである。
2.4ドミナントモーション
数多くのドミナントモーション(強進行)が使われています。
もう皆さん言われなくても分かると思うので、ここではいちいち説明しません。
てか全部してたら記事がいくらあっても足りない(笑)。
あとセカンダリードミナントについてもいちいち詳しくは説明しません、きりがないので。。。説明はこの記事に書いてあります。
seiko-laboratory.hatenablog.com
このAメロでいうと「G7,F♯7,B7」は典型的なセカンダリードミナントでしょう。
しかしこうしてみると、一時転調しまくりですね(笑)。
ゆったりとした曲調なのに不思議とマンネリしてないというか、退屈ではないのはそれが理由の一つかもしれません。
3.Bメロ
キー=G
| Am7(9) |D7 |Bm7 Em7|Am7(9) D7 |B7onD♯ Em7|C♯m7(♭5) A7| Am7(9)|Am7onD |
出ましたよ、掛け合いのパートが。
「可愛いねきみ」 離れてるから
「ねえひとりきりなの」 知らない人が
(⌒,_ゝ⌒)「かわいい~ねき~み~♪」
ついつい男のコーラス部分を口ずさんでしまうのは僕だけでしょうか。
聖子の曲でこういう掛け合いする曲ってあんまりないから新鮮で面白いですよね!
4.サビ
| G|Am7 |D7|G |E7 Am7|B7 Em7| Am7 D7(9)|G |
|E7 Am7|B7 Em7| の部分では「G♯→G→F♯→E」という綺麗な音の流れが出来ています。
また、メロディーに注目してみると、「型(パターン)の繰り返しというのを効果的に使っているのが分かると思います。
あなたはあわてて飛んで来て
と
私の右手を掴むのよ
のメロディーは同じような動きを少し音を変えて繰り返しているのが分かると思います。
そしてその後の
それでいいの それでいいの
の部分でも同じような型を少し音を変えて繰り返していますね。
このように同じ「型」のフレーズをくり返して使うことで、強く印象を与えることができます。
この話はこちらの記事でも書いていますので良かったらどうぞ。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
seiko-laboratory.hatenablog.com
5.まとめ
なんだか最後の方は文字数と疲れと眠気の関係から駆け足になってしまいましたが、僕が言いたいことは前編含めて大体言いました。
前編を見てないという方は見ることをおすすめします。僕の感想はこっちの方でたくさん書いていますので。
seiko-laboratory.hatenablog.com
この曲は後の「Sweet Memories」にも繋がるような大事な一曲です。
この記事の皆さんももう一度「真冬の恋人たち」を聴いて、聖子の歌声を堪能してみてください!
それでは皆さん、次回の記事で会いましょう!(@^^)/~~~
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「真冬の恋人たち」楽曲研究・前編~「真冬の恋人たち」は「元祖Seiko Jazz」!?~
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回は言わずと知れた名曲「真冬の恋人たち」を研究していこうと思います!(@^^)/~~~
80年代前半の聖子曲の中でも人気が高いこの曲。
最初に言っておく!これはか~な~り、好きだ!
このブログを読んでいる人の中にこのネタが分かる人はいるのか?
この曲はまだ僕がそこまで聖子ちゃんファンではなかった頃(でも好きでいろいろ曲漁って聴いてた頃)に初めて聴いた時から、一目ぼれした曲ですよ。
アルバム「Candy」の中だったらこの曲が断トツで好きです。
もうね、一発で曲の世界に引き込まれました。
歌で人を魅了するってきっとこういうことなんだろうなと、理屈じゃあないんだなと。
とはいえ、このブログで「理屈」を否定してしまうと書くこともなくなるし趣旨にも反するのでさっそくこの曲を理論的に掘り下げていきましょう!(*´▽`*)
1.シンプル イズ ベスト
まず、この曲を聴いて思うのは、
必要最低限の音で作られていて、余計な音の装飾があまりないな
ということです。
ギターもシンセもかなりおさえめで小さじほどしかトッピングされていない。
ストリングスもペダルポイント等を意識して効果的に使われているから、いわゆる「ごちゃごちゃしてうるさい」なんてことにならないわけです。
正々堂々、楽曲の良さで勝負してやるぞという大村さんの強い意思のようなものを僕は感じます。( ; ゚Д゚)
本当にいい曲はフォークギター一本orピアノ一台と歌声だけでもいい曲になり得ます。( ☆∀☆)
2.ドラムとベースが素晴らしい
皆さんもこの曲を改めて聴くにあたって、何度かドラムとベースに注目して聴いていただきたいんです。
いい曲は土台となるドラム&ベースがしっかりしているものですが、この曲も例に漏れず素晴らしい演奏を魅せています。
2.1拍子、リズムについて
まずドラムに注目していきたいんですが、その前にこの曲のリズムについて簡単に説明しておきましょう。
この曲の根底にはスウィングのリズムがあります。
拍子でいうと、3連符が4つ並んだ四拍子、もしくは12/8拍子ですかね。
スウィングというのはー、あー、口で説明しづらいというか、実際に聴いた方が分かりやすいと思うんですけど、
「タータ」「タータ」「タータ」「タータ」と跳ねるようなリズムです。やはり分かりづらいね。
3連符の中抜きとも言いいますね。
無理やり視覚的に書いてみると、
「♪♪♪」「♪♪♪」「♪♪♪」「♪♪♪」
これが
「♪ー♪」「♪ー♪」「♪ー♪」「♪ー♪」
こんな感じです。
ピアノもこのリズムで弾いてますよね。
歌のメロディもスウィングしているところが多数あります。
サビの一部分でもドラムがスウィングで叩いていたりします。
このスウィングというリズムは非常にジャズ的でもあります。(*‘∀‘)
2.2ドラムの強弱
そもそもこの曲Aメロの時点ではドラム叩いていないんですよね。
それでもピアノのスウィングのリズムがあるので、聴き手もリズムに乗ることができます。
そしてAメロ終わりのストロークからBメロに突入して静か~にオフビート*1で入ってきて曲にメリハリをつけて徐々に盛り上げていく。
サビに入りスネアも使って曲に勢いをつけ、強弱でいう「強」の部分を見せつけた後、
それでいいの それでいいの
の部分では強弱でいう「弱」にすっと切り替わる。
この強弱の「弱」の部分が上手いとより曲の世界にぐっと引き込まれるんですよね!
それにここでのスウィングも歌メロときっちり連動していて気持ちいい。(「そーれ、でーい、いーの」とはねている。)
さらにその後
あなたがだいすき
のパートで一気に「弱」から「強」にクレッシェンドしていき、
間奏の部分はしっかり「強」で盛り上げるという。
まあこのメリハリの付け方というか、強弱というか、すごい上手いですよね。
いや~たまんねえ~!!このドラムだけでご飯3杯はいけるね!!!うん。
確認してみたら、渡嘉敷祐一さんという方が叩いているようです。
皆さんも、この素晴らしいパフォーマンスに拍手を!ヽ(^o^)丿
2.3リズムを引き立たせるベース
続いてベースについて。
Aメロ、Bメロではしっかりと場をわきまえて抑え目で最低限のベースラインを追い、
サビではベースで上行、下行をくり返ししっかりメロディーラインを作りながら、三連符を入れてリズムをより分かりやすくしています。
正にこの曲の縁の下の力持ちと言えるでしょう。
ちなみに、演奏しているのは高水健司さんです!
皆さんも素晴らしい演奏に拍手を!ヽ(^o^)丿
3.テンション多用かつジャズ的なコード進行
あとやはり重要なのがコード進行ですよね。
これもテンションノートを多用していたり、裏コードを使っていたり、 Ⅳ♯m7(♭5) を使ったツーファイブを取り入れたりと結構凝っているんですよね。
また、これらは非常にジャズ的なコード進行でもあります。
スウィングのリズムといい、大村さんは聖子さんにジャズっぽいものを歌わせたかったのでしょうか。後の「Sweet Memories」も完全にジャズを意識した作品でしたしね。
言ってしまえばただのいちアイドルのいちアルバム曲で、これだけ凝っているってのはあまりないんじゃないかと。
それこそ松田聖子ぐらいじゃないですか?この時代のアイドルのアルバム曲でここまで拘ってる人って。
4.歌も素晴らしい
まず特筆すべきは聖子のリズム感の良さですよ。
この曲のメロディーはリズムが地味に複雑で、リズム感のない素人が歌ったらグダグダになること間違いなしです。
入りが三連符の頭から一つずれていたり、(この曲のメロディーは三連符の真ん中から入ることが多い。「♪ ♪ ♪」の太字の部分から歌いだす。)
時にはスウィングのリズムで歌ったりと、いろいろ意識しないといけないところがあります。
ですが、恐らく聖子はほとんど無意識かつ感覚的にそれらをこなしていると思います。
センスのある人はそういうものなんじゃないかと思うんですよね。逆にセンスのない人はいつまでたってもリズム取れなかったりする。
もちろん、裏で相当センスを磨く努力もしているんでしょうけどね、聖子ちゃんは努力家だと思いますし。
それから、声についてですね。
いやはや、もう今さら言われなくても分かっているとは思いますが、
声質はやはり素晴らしく、声の伸び、強弱、どれをとっても平均点以上のものがあり、さすが松田聖子と言わざるを得ません。
ただ、これは個人的な好みの問題なんですけど、この曲のベストアクトは音源ではなく1984年の「Golden Juke」での歌だと思ってます。
やはりこの時よりも多くのテクニックを身につけた繊細な歌い方、低音も聴きやすく発音していて音源より安定、サビ前の「かけるのよ~」の伸びも力強い。「それでいいの」の部分が「強」すぎることを除けば音源よりも好きです。ブルーレイ化はよ。
でもこれはあくまで好みの問題でただの主観でしかないですからね。こういったものさしのない主観で作品のクオリティを量るのはナンセンスです。
5.「真冬の恋人たち」が「元祖Seiko Jazz」説
この曲を何度か聴いて思ったのは、
大村さんは流行りの歌謡曲というものに媚びていないな
ということです。少なくともこの曲に関しては。
多くの洋楽を聴いているであろう大村さん自身が本当に良いと思えるものを作ろうとしているものが分かります。
「これやっときゃいいんでしょ」的な妥協が少ない。
そりゃあアイドルポップスですし、商業作品ですからある程度の制約や譲歩はあるでしょう。
それでも、それらは最低限度に抑えて「松田聖子」という一人の逸材歌手を使ってよりよい音楽作品を世に送り出そうという裏方さんたちの思いが垣間見えます。
そして、この「真冬の恋人たち」で手ごたえを掴んで自信を得たからこそ、大村さんはあそこまで思いきって「Sweet Memories」を作曲できたのではないでしょうか。
少しばかり凝った曲を作っても世の中の人はちゃんとついてきて、支持してくれる。良いものは良いと言ってくれる。
そういう意味では、「真冬の恋人たち」は「元祖Seiko Jazz」とも言える記念すべき作品なのかもしれません。
また、この曲は20代の僕から見ても古さ(というより「くささ」と表現した方が適切かもしれない)をあまり感じないんですよ。
それはやっぱり大村さんや聖子さん達が妥協せずに流行りに左右されずに真摯に音楽に向かい合った結果でしょう。
……次回はコード進行を交えてより深く研究していきます!
では皆さん、次回の記事で会いましょう!(@^^)/~~~
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*1:裏拍を強調するということ。この場合、二拍目と4拍目にアクセントをつける。
松田聖子アルバム「We Are Love」研究第2回~収録曲「Kiss me please」楽曲研究~
こんにちは、研究員第一号のいっきゅうと申します!
今回はアルバム「We are love」研究第2回ということで、「Kiss me please」についての研究を進めていきたいと思います。(=゚ω゚)ノ
前回(第1回)の記事はこちらです。(-ω-)/
seiko-laboratory.hatenablog.com
早速コード進行と共に見ていきましょう!( ・∇・)
1.イントロ
曲が始まってからの8秒間はコードはあってないようなものなので省略します。人( ̄ω ̄;)
ということで、0:08から。
キー=Bから始まります。
| B|B|G F♯7sus4 | B|B|G F♯7sus4 |G♯M7 |G♯M7 C♯onD♯|Aメロに続く
注目すべきなのが上の3小節目と6小節目に出てくる「G」のコードです。
Bメジャースケールにおいて「G」は♭VI、ノンダイアトニックコードです。
この ♭VIがどういう役割を持っているかについてですが、恐らくサブ・ドミナント・マイナーの代理ではないでしょうか。
メジャーキーの曲の場合、同主短調*1でサブドミナントの役割を持つコードを借りて使うことができます。
その借りてきたコードが サブ・ドミナント・マイナー です。
♭VIはマイナーキーでサブドミナントの役割を持っていますので、サブ・ドミナント・マイナーになり得ますね。
そして、|G F♯7sus4 |G♯M7 |の部分ですが、G♯M7 のところでキー=G#に転調しています。
F♯7はV7でドミナントなので次は B が来ると思いきやG♯M7 がきて裏切られるわけです。
また、キー=G♯のとき F♯7 は ♭VII7 であり、これはサブドミナントマイナーの働きをします。
その働きを利用してトニックのG♯M7に進行して転調しているわけです。
ちなみに、サブドミナントマイナーかどうかは、コードの構成音にキーのルートから見て♭6thの音があるかで見分けられます。
キー=CのときはA♭、キー=BのときはG、キー=G♯のときはEですね。
キー=Bのときの「G」は♭6thであるGを含んでるのでサブドミナントマイナーの働きをします。
キー=G♯のときの「F♯7sus4」は♭6thであるEを含んでるのでサブドミナントマイナーの働きをします。
2.Aメロ
キー=A♭です。
| A♭M7|A♭sus4 |Cm Fm |B♭m E♭ |A♭M7|A♭sus4 |Cm Fm |B♭m E♭ | Bメロに続く
|Cm Fm |B♭m E♭ |A♭M7|の部分ではベースが強進行(完全5度下行)になっていて非常にシンプルなコード進行になっていますね。
また、|B♭m E♭ |A♭M7|ではしっかりツーファイブワンになっています。
3.Bメロ
| D♭|A♭onC |B♭m E♭ |A♭ D♭ |A♭onC Fm|E |E♭sus4 E♭ E♭sus4 E♭|サビに続く
| D♭|A♭onC |B♭m の部分では転回形を上手く使うことで、ベースがスケールにそって下降していき聴きやすくなっています。
また、D♭ |A♭onC Fm|の「A♭onC→Fm」の部分でもベースの動きが強進行になっていて、転回形が上手く生かされています。
A♭は I でトニック、Fm は VIm でトニックの代理なので似たような役割のコードが続いてるだけなのですが、ベースの動きによって若干の解決感があります。
そしてFmの次の E は ♭VI です。
Fmの構成音とほとんど変わらないのでスムーズに進んでいますね。
役割としてはやはりサブドミナントマイナーの代理でしょうか。
キー=A♭mのダイアトニックコードを借りて使っているわけですね。
この♭VI をクッションとして挟んでサビでは B から入り再びキー=Bに転調します。
このとき、
A♭ナチュラルマイナースケールとBメジャースケールは構成音が全く同じであり、
ほぼ違和感なく転調することができます。
この短3度上に転調する技はポップスでは頻出ですね!
ここで出てきた「E」はキー=Bの時の IV 、つまりサブドミナントに当たり、スムーズにトニックである B に戻って転調することができます。
4.サビ
| B|D♯m |G♯m BonF♯ B|EM7 |C♯m7 F♯|D♯ G♯ |E♯m(=Fm) B♭ |F♯sus4onD♯ F♯sus4onD F♯sus4onC♯ F♯7|B
サビにしては落ち着いた印象。
特に書くこともないのでメロディーについて。。。
こういうポップスではいかにしてキャッチーなフレーズを作って聴き手に覚えさせるか、ということが大事だと思います。
そのフレーズを印象付けるテクニックの一つがパターンの繰り返しです。
例えば、一番のサビのこの部分。
あなたに会って 初めて知った
生きてることが素敵と
コードでいうと、|C♯m7 F♯|D♯ G♯ |E♯m(=Fm) B♭ |この部分ですね。
「あなたに会って」「初めて知った」「生きてることが」の三つは音とリズムの「型」が一緒です。(音程差は同じではない。あくまで「型」が同じなだけ。)
簡単に言うと、この三つはどれも「大きく上がって小さく下がる」です。
無理やり文字で表すと「あっあ↑て↓」「しっい↑た↓」「こと↑が↓」こんな感じです。
「あなたに」「はじめて」「生きてる」では上がり下がりを繰り返しています。
そして三つともリズムも一緒です。
また、繰り返しながら徐々に音程が高くなっていき上手く盛り上がりを演出していますのが分かりますね。
このように同じ「型」のフレーズをくり返して使うことで、聴き手の記憶にも残る(かもしれない)わけですね。(´▽`)
裏で鳴っている伴奏(コード)が変わることによって、同じようなフレーズでも印象は結構変わりますから、そんなに退屈にもならないんですよね!
このように、
「型」を統一して繰り返す
というのはメロディーラインを作る上で効果的なんですね。
5.まとめ
僕がこの曲、「Kiss me please」を最初に聴いたときの感想は
_(:3」∠)_「昔の聖子ちゃんのアルバムに入ってても違和感なさそう」
でした。(笑)
それこそ「strawberry time」とかにこの曲が入っていても普通に紛れ込めるんじゃないかって思う。(;^ω^) あ、でも会話シーンでバレちゃうかな。
これ「We are love」のB面曲なんですが、シングルを買う人のために敢えて意図的に従来の松田聖子イズムを感じる曲に仕上げたんでしょうね。そんな気がします。
笹路正徳さんの編曲もアイドル聖子ちゃんを連想させるようなキラキラサウンドで装飾されていますしね。
ちなみに松田聖子イズムの話は第1回でも少し触れているので良かったら見てください!(/・ω・)/
seiko-laboratory.hatenablog.com
今回はこの辺で。
それでは皆さん、また次回の記事で会いましょう!(@^^)/~~~
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